研究課題/領域番号 |
09246104
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大島 隆義 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00134651)
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研究分担者 |
高橋 保 大阪市立大学, 理学部, 教授 (20047137)
野口 誠之 奈良女子大学, 理学部, 教授 (90093559)
鈴木 史郎 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50089851)
仁藤 修 東京農工大学, 工学部, 助教授 (00189333)
住吉 孝行 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (30154628)
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キーワード | 直接的CP非保存 / 小林・益川行列 / φ_3偏角 / レプトンセクターでのCP / T / 粒子識別 / チェレンコフ放射 / 時間分解能 |
研究概要 |
1.Belleデータによる物理解析 1999年夏からデータ収集を開始したBelleデータによる物理解析を行ない、以下の結果を7月末大阪に開かれた高エネルギー国際会議にcontributed paperとして報告した。 (a)小林益川三角形の頂角φ_3の測定に有効であるB→DK,D^*K過程、関連過程のB→Dπ,D^*π過程の解析。π/K識別により、高信頼度でB→DK過程の崩壊分岐比の測定。 (b)e^+e^-→τ^+τ^-→μ^±e^<【minus-plus】>υ^^_において,電子ビーム方向、終状態のμ^+(e^+)μ^-(e^-)方向の三重積の測定による、τ対生成に於けるCP/Tの破れの上限値測定。τ^±→π^±π^0υ崩壊におけるCPの破れ。 2.粒子識別測定器の開発 (a)TOPカウンター(名古屋大、奈良女子大、東京農工大):メタルパッケージ型光電子増倍管を用いた試作機により、πビームを用いて、予想された光電子数、チェレンコフリングに対応する光伝播時間のパターンを観測し、動作原理を実験的に確認した。磁場中で動作可能の多重アノードFine mesh光電子増倍管を浜松ホトニクスと共同開発し、cathode/dynode間隔の短縮、2500mesh/inchの実現により、1mm以下の位置分解能と1Tまでの磁場中で100psの時間分解能を得た。 (b)シリカエアロジェルRICH(KEK):KEK/松下電工共同開発のエアロジェルのRICHへの最適化。メチルアルコールを溶媒にして調合比の最適化を行ない、屈折率1.02において従来の透過長30mmから50mmの透過長を得、RICHの放射体として有望である結果を得た。 (c)Gasチェレンコフ検出器(大阪市大、KEK):SF6 20気圧に対し、1m当り波長200nmで72%、300nmで97%の透過率を得た。光学系改良後の試作機のπビームテストにより、入射角45度以上、光検出器までの距離70cm以内で90%以上の検出効率を得た。検出効率vsガス圧、入射粒子の運動量、屈折率vsガス圧、等の基礎データを得た。
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