研究分担者 |
高橋 保 大阪市立大学, 理学部, 教授 (20047137)
野口 誠之 奈良女子大学, 理学部, 教授 (90093559)
鈴木 史郎 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50089851)
仁藤 修 東京農工大学, 工学部, 助教授 (00189333)
住吉 孝行 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (30154628)
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研究概要 |
1.Belleデータによる物理解析 BファクトリーでのB中間子崩壊のCP非保存研究は、データ収集の進展とともに物理解析が進んだ。具体的には、小林益川triangleの頂角φ_3の測定に感度の高いB→DK,D^*K,B→Dπ,D^*π過程の検出と分岐比の測定である。さらに、B→Kπに関してはCP非対称度-0.22<A_<CP>(B^0→Kπ^±+Kπ^0)<0.25を得た。他方、標準理論を越える物理探索として稀崩壊事象の研究が進み、B→Kμμは世界ではじめて上限値でなく有限な分岐比値の測定に成功した:BR(B→Kμμ)=(0.99±0.36±0.12)×10^<-6>。 タウ・レプトンの物理に関しては、CP/T非保存の探索(タウのEDM:dτ)ではこれまでの感度を10倍向上し、dτ<2×10^<-17>e・cmを得た。Lepton Flavor Violationのτ→μγ崩壊探索では世界最高の分岐比感度BR(τ→μγ)<1.0×10^<-6>に到達した。 最終年に『B Physics and CP Violation(BCP4)』国際会議を伊勢志摩で開催し、これらの研究成果を報告し高い評価を得た。また、平成13年度には公開シンポジウム『大学と科学』-失われた反世界-を仙台市で開催し、研究成果を報告する機会を持った。 2.粒子識別検出器の開発 新型リングイメージ・チェレンコフカウンター,TOP-counter,を考案しその実用化を目指し開発研究を続けた(名大グループ)。また、シリカエアロジェルRICH検出器(高エネルギー研グループ)、高圧ガス・チェレンコフ検出器(市大グループ)の開発研究も展開した。基礎データや特性の把握ができ、さらなる進展に努めている。
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