研究分担者 |
坂井 実佑 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80108448)
栗本 猛 富山大学, 理学部, 助教授 (10195563)
岡田 安弘 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (20212334)
牟田 泰三 広島大学, 理学部, 教授 (80025353)
萩原 薫 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (50189461)
|
研究概要 |
B中間子の2体崩壊過程を数えると70モード以上ある。上記の研究ではこの数多くの2体崩壊に含まれているCP非対称性についての情報に着目した.この情報を引出すには、2体崩壊の振幅を計算する手法を探す必要があった。B中間子は弱い相互作用で崩壊するが、終状態がハドロンである限り強い相互作用の影響から逃れられない.平成10年に重い粒子の2体崩壊の振幅はを計算するにあたり、QCDの影響はshort-distanceとlong-distance に分けられ、short-distanceの部分は摂動で計算し、long-distanceの部分は粒子の波動関数として、実験から求められる事が分かった。B→Dπ,B→ππ,B→Kπ,B→ρπ,B→DKなどB中間子の2体崩壊過程とレプトニック崩壊B→Dlν,B→πlνの崩壊過程の計算は終了した。 この研究で発見した事は:(1)Penguin diagramは自然に大きくなる。今までfactorization近似で計算した結果どうしてもpenguinのサイズが理解不可能であった.我々の結果により、初めてこのパズルが解けた。(2)Penguin annihilation diagramは大きなfinal state interactionの位相を予言する。この結果を元に、我々は大きなCP非保存がB→Kπに存在する事を予言した。この結果は論文2で発表した。 現在B→φK,B→ωK,B→η′K,B→ηKなどの崩壊過程を進めている。今のところ、終状態の粒子一つにつき個別の波動関数が入ってくるので、パラメタ-が多く、詳しいCP非対称性の大きさの予言はされていない。ただし複数の崩壊分岐比を計算して行くことにより、この問題は解決し、具体的な予言が可能となる。
|