(1)フレーバーを変える中性カレント(FCNC)の研究 標準模型を越える理論を検証する上で、FCNCの制限は、重要である。我々は、FCNC過程B-Xd llとB-Xs llの比を測ることによって小林-益川角|Vtd/Vts|を得る方法を提案した。この比は、標準理論以外の理論(ツリーレベルの中性カレントがある理論など)では、|Vtd/Vts|にはならないので、理論を検証するための測定量として重要であることがわかった。また、この過程に対するlong-distanceの効果(Fermi motion)やQCD補正(くりこみ点依存性)をしらべ、理論的不安定を評価した。結果は、B中間子の中のbクオークのFermi motionの効果は小さく、一方、くりこみ点依存性は、分枝比にして15%程度である。この研究は、標準模型とそれを越える理論の違いの有無を実験データから判断するのに重要である。そのほかにcharmonuumの中間状態からくるlong-distanceの効果をQCDの理論から調べることが課題として残った。 (2)model independent test B-X ll過程に効く次元6のオペレーターをすべて書き下しそれに基づいてdilepton invariant mass分布や角度分布を調べた。各々のオペレーターの係数に系統的に制限をつける方法を調べている。
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