Belle測定器の次世代エンドキャップカロリメーター材料として、フッカセリウムの開発研究を行った。研究は、まだ進行中で、まとまってはいないが、これまでに得られたいくつかの結果について報告する。まづ、原料として全量60Kgのフッカセリウム粉末材料を、別メーカーから半量づつ購入した。その一部を使った試験的な結晶化によって、原料に残留する酸素(主として結晶水として残留する)によると推定される効果で、結晶ににごりが生じた。にごりは、湿式法で作られたA社原料のほうが、乾式法のB社のものより顕著であった。今回新たに原料純化のための高温処理段階を設けた。そこでは、テフロンと六フッカイオウを少量添加し、真空ではなく、アルゴン雰囲気で昇温した。その結果両原料共、ほぼ同程度まで透明化出来た。この方式で、結晶化、焼鈍、研磨を順次行って、現在一部の研磨が終了している。得られた光量は、光電子増倍管読み出しで、100〜200光電子/MeVで、2〜3cm長さの小サンプルで得られている400光電子/MeVに比べて、まだ少し悪い。予定の全長である30cmのものは、申請書にも記した様に、接着して作り、10本組で平成10年度内にビームによるテストを行う予定である。
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