研究概要 |
市民生活を含めた生産・消費活動におけるゼロエミッション化を考える場合、自然に還元されない廃プラスチックの処理法に注目が集まっている。本研究では新潟市の廃プラ量6,000ton/年を全量処理することを想定した油化プラントにつき、この事業の協力を得て、新潟市内からでるプラスチックゴミおよび周辺周辺地域からの排出、プラスチック油化プラントの処理と生産物および廃棄物・排ガス、生産された燃料油の利用までを含めたプロセスを取り上げ、この全体の廃プラスチック処理の流れの物質およびエネルギーのインプットアウトプットの解析をゼロエミッションの観点からおこなった。 プラントのモデルを構築するための補完的実験として、実験室における混合プラスチックの熱分解過程の熱重量測定による解析、示差熱天秤によるDTA(示差熱),TGA(熱重量)の同時測定による混合系プラスチックの熱分解速度と活性化エネルギーの算出につき検討した。この結果、各種プラスチックの熱分解挙動および熱的データを収集し、データベースに集約した。これにより油化プラントのプロセス解析の基礎とすることができた。 納入される廃プラの種類割合の調査、プラントにおける物質・熱収支および経済性、排ガス、排水の成分調査、生産された燃料油の使用状況および燃料としての性能の各項目につき実地調査をおこなった。これをもとにプロセスシミュレータにより油化プラントのプロセス解析をおこなった。実際の運転状況と比較することにより、プロセスの今後の改良点を明らかにした。
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