1.研究の基本的な考え方 製鉄プロセスを、他の産業分野で問題になっている発生物を処理する場として用いると考えると、その量的、設備的ポテンシャルは魅力のあるものとして映ってくる。これまでに、『廃プラステックの高炉で利用』など、『アルミ灰など金属精錬過程発生物の利用』などが研究、実用化された例があるが、産業全体の中で考えると、数多くの可能性が残されている。 2.廃木材の実態調査 今後、廃棄物として問題が深刻化すると思われるものとして、廃木材に着目し調査を行った。リサイクルされているのは(熱利用も含めて)30%であり、多くは野焼き、埋め立てに用いられている。特にCCA処理した廃木材が出て来始めると、野焼き(Asの揮散)、埋め立て(腐らない)問題になる。 したがって、CCA処理材も含む廃木材を処理して、燃料よりも付加価値の大きいものとして吸着性能の大きい木炭を製造・利用するプロセスの研究に着眼した。 3.廃木材の炭化試験、利用方法の検討 従来法では、2段処理のために高価な活性炭の製造法を、経済的にするための処理条件を見いだすために、加熱温度、雰囲気組成、時間を変えた炭化基礎実験を30水準行い、吸着性能を調査した所、適正な処理条件を選ぶと、活性炭の1/2程度の性能を持ったものが得られることがわかった。これらは、製鉄の廃ガス処理の過程などで吸着材として有効に用いられる。
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