土木材料は国土表面を覆い、その量は多くかつ、近年公共事業の圧縮方針に基づきリサイクルを余儀なくされている。リサイクルは土木材料そのものをリサイクルする方向に加え、他業種からの廃棄物が土木材料のリサイクル材料として使用されているケースも多い。他業種のゼロエミッシュン化が、土木材料を最終処分場として成り立っている面も観察できる。本研究ではそうした材料の循環の実態を調査することにより、そのゼロエミッション計画における実現可能性と問題点の抽出を図るとともに、バ-ジン材料、リサイクル材料の環境中での安定性や、さらにそれが廃棄物となった場合を想定し、安全性を指標としたゼロエミッションを考える。毒性試験はバクテリアの遺伝毒性試験系umu-test+-S9の系に適用した。 舗装材料は、粗砂、乳化剤、ストレートアスファルト、そして各種アスファルト混合物に水によるとくに酸性側での溶出成分の毒性の痕跡が認められた。粗砂は瀬戸内海海砂である。乳化剤は脂肪ジアミン塩を含む。アスファルトも酸性側での毒性成分溶出が示唆された。コンクリート材料は高炉スラグ、フライアッシュに水、酢酸エチルとも毒性が検出できた。またエコセメントに関しても低泥中から溶出する成分に陽性がS池、B湖ともに観察された。以上の結果は、構造物として存在する場合の環境への安全性のみならず、廃棄物となる場合のリスクも考えられ、建設材料のリサイクル化はさらに効率を上げていくべきであることが示された。
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