研究課題/領域番号 |
09247232
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
後藤 元信 熊本大学, 工学部, 助教授 (80170471)
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研究分担者 |
広瀬 勉 熊本大学, 工学部, 教授 (40037841)
児玉 昭雄 熊本大学, 工学部, 助手 (30274690)
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キーワード | 超臨界水酸化 / 廃棄物処理 / 物質循環 / エネルギー循環 |
研究概要 |
超臨界水酸化を要素技術として廃棄物のクローズド処理による物質循環と反応熱の回収によるエネルギーの有効利用を組み込んだ都市・産業におけるゼロエミッションシステムの構築を検討することを目的として、特に、エネルギーの回収および金属などの資源の回収に重点を置いたシステムの構築を目指した。 超臨界水酸化プロセスにおいて炭素を含む有機物は完全酸化され二酸化炭素に変換され、ヘテロ原子を含む無機物は固体として回収され、各成分に分離されることにより資源としてリサイクルされ使われる。一方、反応熱は予熱に使われるほか、エネルギーとして回収される。この様な物質とエネルギーの循環システムについて解析を進めた。これまでに超臨界水酸化技術を核とした廃棄物処理・資源/エネルギー回収システムのフローならびに解析のための各物性値の推算法を確立した。 超臨界水酸化による廃棄物の処理実験として、ステンレス製の回分反応器ならびに流通反応器を用いて酸化分解実験を行った。試料としては実廃棄物として下水処理場から排出される余剰汚泥、焼酎廃液、糖蜜のアルコール蒸留廃液、酢酸、アンモニアを用いた。酸素源として過酸化水素を用いた。反応後の液相の生成物について全有機炭素量(TOC)の測定、残存するアンモニアおよび有機酸の分析を行った。バッチ反応の結果、10分程度の反応時間でほぼ完全にTOCを測定限界以下にすることができ、反応中間体として生成する酢酸とアンモニアの分解が律速であることがわかった。特に、アンモニアのN_2への完全分解は600℃程度の高温を必要とした。バッチ反応器の結果を汚泥、焼酎廃液、酢酸についてTOCに対して1次反応を仮定して求めた速度定数を算出した。廃棄物中の炭素分は直接二酸化炭素を生成する反応と酢酸等の難分解性中間体を経て最終生成物になる反応とからなると仮定した並発逐次反応で解析を行い、良好に実験データを表すことができた。
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