研究概要 |
1.ヘテロクロニ-突然変異mori1の解析 胚及びseedlingの大きな形態異常を示し、数ヶ月の生育で"森"のような様相を呈する2つの対立遺伝子をmori1-1,mori1-2と名付けた。この変異体では、葉間期が短くなり、非常に多くの葉と分げつを生じた。しかし、7ヶ月以上生育しても、また短日処理を行っても花芽を分化することはなかった。茎の構造を調べたところ、7ヶ月経過しても、節及び節間の分化が見られず、第3葉節以下の茎の構造を維持していた。更に、葉の形・サイズ、葉間期、茎頂分裂組織のサイズ、細胞分裂活性についても、第2,3葉期を維持していた。従って、mori1は、juvenile-adultの相転換ができず、juvenile phaseが継続されたヘテロクロニ-突然変異であり、MORI1遺伝子は、juvenile-adultの相転換を制御する重要な遺伝子である。 ヘテロクロニ-突然変異pla1の解析 pla1-1は、葉間期を約1/2に短絡するものとして同定された。しかし、葉間期の短絡は生殖生長の開始を早めることはなく、止め葉の出現時期は野生型と同じであった。この変異体の劇的な特徴は、"穂"に見られた。即ち、ほとんどの1次枝梗原基がシュートに転換した。従って、pla1-1では、reproductive phaseの開始は影響されないが、本来終了すべきvegetative phaseが継続するため、reproductiveプログラムとvegetativeプログラムが同時に発現していると考えられる。一方弱いallele(pla1-2)では、pla1-1よりも葉間期が長く、穂では1次枝梗原基のうちの基部の1つか2つだけがシュートに転換するが、他の原基は正常に発生し、短絡した穂を分化した。従って、PLA1はvegetative phaseを終了させる遺伝子である。
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