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1999 年度 実績報告書

長崎県を対象としたHTLV-1母乳感染防止長期介入試験

研究課題

研究課題/領域番号 09252101
研究機関鳥取大学

研究代表者

日野 茂男  鳥取大学, 医学部, 教授 (70012763)

研究分担者 松本 正  長崎大学, 医学部, 講師 (70190535)
片峰 茂  長崎大学, 医学部, 教授 (40161062)
キーワードATL / HTLV-1 / 母子感染 / 母乳感染 / 子宮内感染 / PCR
研究概要

1.長崎県全体を対象とし、妊婦の抗HTLV-1抗体スクリーニング,キャリア妊婦に対する母乳哺育回避教育,キャリア母親から出産した児の追跡調査を始めて,平成11年で12年を経過した.
2.母乳哺育児のHTLV-1母子感染頻度は,20〜30%と推定されるが,母乳回避により母子感染の80〜90%を防止できた.すなわち,母乳を介した母子間感染がHTLV-1の主要な感染経路であることを最終的に証明した.
3.HTLV-1は,約3%の人工哺育児に母子感染する.この感染経路は,臍帯血検査から子宮内感染分娩児感染を強く疑うが,未だ明らかでない.
4.短期間の母乳哺育でも感染率は,人工栄養に比して高く,短期間の母乳哺育は,感染頻度を約2/1に下げるものの人工栄養に比して感染の危険性が高い.
5.このまま経緯すると,長崎県のHTLV-1地域内流行は,次世代に全国レベルまで下げることが可能と期待できる.
6.小児の経過追跡を6ヶ月毎に行ってきたことにより感染の判定時期が判明したので,2歳時点で感染のチェックをすることに変更した.
先進国のHTLV-1流行地は,日本に限られるといってよい.ATLが不治の病であることを考えると,HTLV-1の感染防止は,日本が率先して取り組むべき課題である.この種の研究は,最初は比較的華々しいが,時間の経過と共に目にみえる研究の進行は遅くなる.人間を相手とする研究だけに,それなりの時間を必要とする.しかしながら,障害を乗り越えて確保されたフィールドを潰してしまうと,再建することはほとんど不可能である.HTLV-1の地域内流行の将来を見守るためには,今後も長期間の追跡調査を続ける必要がある.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kazi-A et al.: "High frequency of postnatal transmission of TT virus in the infancy"Arch-Virol.. 145. 1-6 (2000)

  • [文献書誌] Arisawa-K et al.: "Evaluation of adult T-cell leukemia/lymphoma incidence and its impact on non-Hodgkin lymphoma incidence in southwestern Japan"Int-J-Cancer. 85. 319-324 (2000)

  • [文献書誌] 木下研一郎ら: "長崎県ATLウイルス(HTLV-1)母子感染防止研究協力事業報告:10年間の成果と将来"日本医事新報. (3931). 37-41 (1999)

  • [文献書誌] 長崎県ATLウイルス母子感染防止研究協力事業連絡協議会: "ATL(成人T細胞白血病・リンパ腫)ウイルス母子感染の予防.指導者用テキスト"長崎県福祉保健部. 34 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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