研究課題/領域番号 |
09253101
|
研究種目 |
重点領域研究
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
浅香 正博 北海道大学, 医学部, 教授 (10113507)
|
研究分担者 |
杉山 敏郎 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (00196768)
赤池 孝章 熊本大学, 医学部, 助教授 (20231798)
慶田 喜秀 沖縄県立中部病院, 部長
小越 和栄 新潟がんセンター, 部長
菊地 正悟 順天堂大学, 医学部, 講師 (40224901)
|
キーワード | H.pylori / CagA gene / 胃癌 / 胃炎 |
研究概要 |
H.pylori感染と胃粘膜病変の発生との関わりについては、その全貌が次第に明らかになってきている。すなわち、H.pylori感染初期には、急性胃炎様変化がみられ、感染が長期に持続するにつれて胃粘膜の萎縮を生じ、一部は胃癌発生の前癌状態ともいえる腸上皮化生に移行する。世界中で行われた疫学調査の結束、胃癌とH.pylori感染の関連性を示峻する結果が多く得られている。本年、われわれはHelicobacter pylori(H.pylori)と胃癌の発生との関わりについての疫学的研究を行い、以下の諸点を明らかにした。 1.胃癌の死亡率の最も高い新潟県、最も低い沖縄県、その中間に位置する北海道の3地域の住民の20代、40代、60代の健常人についてH.pyloriの感染率、cagA陽性株の頻度、血清ガストリン値、血清ペプシノーゲン値を測定し、H.pyloriが影響を与えていると思われる背景胃粘膜の検討を行った。 2.新潟県の40代健常人のH.pylori抗体陽性者は、沖縄県の40代より有意に高かったが、20代、60代では差が認められなかった。また、H.pylori抗体陽性者のcagA陽性株の頻度は、新潟県の40代が沖縄県の40代より有意に高かった。 3.H,pylori抗体陽性者の血清ガストリン値は、新潟県の40代、60代で沖縄県の40代、60代より高い傾向を示したが、陰性者では逆に沖縄県の方が高い傾向を示した。血清ペプシノーゲン1値は新潟県の60代で低い傾向を示した。
|