研究課題/領域番号 |
09253101
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
浅香 正博 北海道大学, 医学部, 教授 (10113507)
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研究分担者 |
慶田 喜秀 沖縄県立中部病院, 部長
小越 和栄 新潟がんセンター, 部長
菊地 正悟 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40224901)
杉山 敏郎 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (00196768)
赤池 孝章 熊本大学, 医学部, 助教授 (20231798)
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キーワード | Helicobacter pylori / 胃炎 / 腸上皮化生 / 胃癌 / 早期胃癌 / 疫学研究 |
研究概要 |
北は北海道から南は沖縄まで、20の施設と提携してH.pylori感染と胃癌の発生に関する共同研究を行った。H.pylori感染の診断は、抗体測定にて行った。胃癌は進行癌、早期癌とも病理組織学的に診断されたものに限定し、分化型、未分化型に分けて検討を行った。 1.2349例の胃癌が調査の対象となった。胃癌患者のH.pyloriの抗体陽性率は、全国ほぼ一律であり20代で86%、30代で79%、40代で86%、50代で84%、60代で83%、71歳以降で80%であり、年齢に関わりなく高値を示した。一方、コントロールのH.Pyloriの抗体陽性率は、20代23%、30代32%、40代53%、50代63%、60代70%、71歳以降73%と年齢が増すごとに上昇する傾向を示した。したがって、オッズ比は若年者ほど高い傾向を示した(20代22.6、30代6.9、40代7.2、50代2.8、60代1.8、71歳以降1.5)。 2.H.pylori抗体の陽性率と胃癌の占拠部位の比較では、噴門部癌の抗体陽性率は78%、C領域83%、M領域83%、A領域83%と領域別にH.pylori抗体陽性率の差は認められなかった。 3.H.pylori感染と早期、進行癌の関わりでは、早期癌のH.pylori抗体陽性率は86.3%であり、進行癌の陽性率76.7%より有意に高い傾向を示した(p<0.01). 4.組織型別にH.pyloriと胃癌の関わりを検討したところ、分化型胃癌のH.pylori抗体陽性率は83.3%、未分化型胃癌81.3%であり、H.pylori抗体の陽性率に有意差は認められなかった。
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