研究課題/領域番号 |
09253104
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
西野 輔翼 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (10079709)
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研究分担者 |
山本 智理子 (財)癌研究会, 癌研究所・病理部, 研究員 (10280629)
大東 肇 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (80026583)
奥山 徹 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (40087789)
高須賀 信夫 国立がんセンター, 化学療法部, 主任研究者 (80270677)
長沢 弘 明治大学, 農学部, 教授 (10076987)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | がん化学予防 / 発がんプロモーション / 発がんイニシエーション / カロテノイド類 / テルペノイド / フェノール性化合物 / ヒドロキシアパタイト / ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤 |
研究概要 |
ヒトにおける発がんの化学予防を実用化するために必要な基礎的データを得ることを目的として、多角的な検討を行い、以下の点を明らかにした。 1.がん化学予防に有用である可能性のある候補化合物を見い出した。すなわち、カロテノイド類、majonoside-R2、ウルソール酸、クルクミン、ビール成分、ペルセノンA、イソリクイリチゲニン、αG-ルチン、フェルラ酸、ネギ成分、(+)-au-tumerone、春の七草、ヒドロキシアパタイト、trichostatin Aなどである。 たとえば、カロテノイドに関してであるが、リコピンやゼアキサンチンが優れた抗発がんプロモーターであることを証明した。majonoside-R2、ウルソール酸は皮膚における発がんプロモーションを抑制し、クルクミンは肺における発がんプロモーションを抑制した。ビールの凍結乾燥物に抗変異原活性のあることが明がとなった。 2.ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤はがん予防に有用である可能性があるが、今回その一種であるtrichostatin Aについて検討した。その結果、がん細胞の増殖を抑制し、p21/WAF1タンパク質の発現を抑制することが明らかとなった。 3.MTH1遺伝子欠損マウスの腺胃において、Helicobacter pylori(HP)感染は、胃炎の持続と腺窩上皮の過形成を増強したが、1年半の飼育ではがんは発生しなかった。現在、観察を継続中である。またこの実験系を用いて除菌効果を見る実験も行っているが、現時点では対照群でがんの発生が見られていないので結果は得られていない。 4.テレオシジンの誘導体であり、twist型だけをとる(-)-benzolactam-V8-310が発がんプロモーション作用を持っていることを証明した。
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