研究課題/領域番号 |
09253226
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岩井 裕子 京都大学, 医学研究科, 助手 (10281726)
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研究分担者 |
園田 英一郎 京都大学, 医学研究科, 助手 (50281093)
高田 穣 京都大学, 医学研究科, 助手 (30281728)
武田 俊一 京都大学, 医学研究科, 教授 (60188191)
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キーワード | 染色体不安定性 / 相同DNA組換え / RAD51 / RAD52 / RAD54 / DT40細胞 / DNA2重鎖切断 / 修復 |
研究概要 |
染色体の不安定性に関連する可能性を有する遺伝子 (特に出芽酵母で相同DNA組換え機構に関与することが知られている遺伝子のホモログ)をトリDT40細胞においてノックアウトしその機能を解析し以下の諸点を明らかにした。 1.RAD54欠損細胞は放射線照射、メチルメタンスルホン酸(MMS)処理に対して強い感受性を示した。ターゲットインテグレーションの効率も100倍以上低下し、RAD54遺伝子が高等真核細胞の相同DNA組み換え機構に大きく寄与していると共に、高等真核細胞のDNA2重鎖切断の修復が非相同DNA組換え機構だけでなく相同DNA組扱え機構でも修復されていることが判明した。 2.RAD52はその変異株が出芽酵母で最も重篤な表現型を示し、また、生化学的に、出芽酵母とヒトと共にRAD51の相同DNA対合反応をRAD52が促進するのが報告されているにも関わらず、RAD52欠損DT40細胞はほとんど放射線照射やMMSに対する感受性を示さず、ターゲット・インテグレーションの効率のみ数倍低下した。 3.RAD51欠損細胞は致死となったため、テトラサイクリン誘導プロモーターを用いたコンデイショナルノックアウトを樹立した。テトラサイクリンの添加によりRAD51の発現を抑制すると、ほぼ12時間後に細胞がG2/M期で静止しその後致死となる。致死となる前のカリオタイプの解析により、ほぼ1細胞あたり1つの染色体断裂(イソクロマチド型断裂)が観測され、通常の細胞増殖中のゲノム・インテグリテイーの保持機構に相同DNA組換え機構が重要であることが強く示唆された。
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