研究課題/領域番号 |
09254214
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
井川 洋二 東京医科歯科大学, 医学系研究科, 教授 (40085618)
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研究分担者 |
小島 利之 東京医科歯科大学, 医学系研究科, 技官
佐藤 真悟 東京医科歯科大学, 医学系研究科, 助手 (10143562)
小柳津 直樹 東京医科歯科大学, 医学系研究科, 教授 (00282773)
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キーワード | エリスロポエチンシグナル / EPO受容体(EPOR) / Friend病脾赤芽球 / JAKファミリーのリン酸化 / STATファミリーのリン酸化 / EPOによるSTAT5の核内移行 / FriendウイルスによるJAK1の恒常的リン酸化 |
研究概要 |
Friend白血病ウイルスは、そのコードするenv由来のgp55がエリスロポエチン(EPO)受容体(EPOR)に結合して、標的細胞ではCFUeを増殖させる。そこでこの赤芽球系細胞においてエリスロポエチン受容体(EPOR)の下流のJAKファミリー、STATファミリーを解析した。対照には、ファニルヒドラジンで誘導された貧血症マウスの脾腫から分離された正常とみなされる赤芽球系細胞を用い、それぞれをTER119を赤血球系細胞のマーカーとして分画したところ、81%、92%の純度が得られた。これら細胞においてEPOR特異抗体で沈降する蛋白をJAKファミリーの抗体で検索したところ、後者では、EPO依存性にJAK2がチロシン燐酸化されるのに、前者では、EPOの有無に拘わらず、JAK1が恒常的にチロシン燐酸化されていた。また前者ではSTAT5も恒常的にチロシン燐酸化されていたが、そのSTAT5は核内移行を示さず、従ってSTAT5の結合するGAS、PRE配列とは結合できなかった。従ってFriend白血病ウイルスによる腫瘍性増生では、活性化されたJAK1下流の恒常的にチロシン燐酸化するSTAT5はEPOとの共働ではじめて核移行をし、増殖シグナルを送ることが示唆された。今後EPO/EPOR、gp55/EPORを介するSTAT5のチロシン燐酸化状態を明らかにし、また白血病細胞になった際の増殖シグナルの多様性を解析したい。
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