研究課題/領域番号 |
09254219
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
椙村 春彦 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00196742)
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研究分担者 |
田中 正光 浜松医科大学, 医学部, 助手 (20291396)
内藤 恭久 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (10107815)
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キーワード | 家族性胃癌 / 遺伝子不安定性 / TGFβtypeIIレセプター / HNPCC / 多発胃癌 / 分子病理 / 組織分類 |
研究概要 |
胃癌の遺伝子不安定性とその病理学的特徴について、以下の諸点を明らかにした。 1.多発胃癌(独立した二重癌、20例、40病変)Replication errorをしらべたところ、対象としてとった40例の単発胃癌にくらべて、病変あたりの頻度が高く、さらに両病変にともにおこる確率が期待値よりはるかに高かった。多発胃癌患者の癌感受性の上昇が推定された。 2.家族集積性胃癌31病変について、組織型、深達度、年齢を合致させた、家族歴のない胃癌と対照させて遺伝子不安定性を検討した結果、胃癌の深達度とこの遺伝子不安定性との相関があり、早期胃癌で比較した場合のみ、家族集積性群で、より高頻度にみとめられた。家族集積性胃癌の一部は早期から遺伝子不安定性を獲得するものであると推定された。 3.HNPCC型の家族集積性胃癌の遺伝子不安定性をもった症例の標的遺伝子の変化をしらべたところ、TGF β Type II receptor、MSH3などは、HNPCCにみられるのと同様にRERが多数のIociでみられる症例で、とくに変化していた。しかし、RERそのものの頻度は従来の報告とそれほど変わらず、全体として、RER型の家族集積性胃癌は少なく、とくに浸潤性entityあるいは機構が考えられた。
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