細胞傷害性T細胞の誘導が困難である肺癌等の癌細胞に対する免疫システムの関与の可能性を解明することを目的に、HLA結合ペプチドライブラリーという新しい手段を用いた細胞傷害性T細胞の誘導システムの樹立を試みた。ペプチドを用いた細胞傷害性T細胞の誘導に関しては、20^9、20^7、20^6、10^3からなるペプチドミクスチャーを検討したところ、いずれもペプチド特異的細胞傷害活性を有する細胞株が樹立できたが、20^6のミクスチャーが最も高いCTL活性を示し、効率が最も良いと考えられた。現在、A*0201陽性の健常人より得られたCTLラインよりクローンニングを行い、A*0201陽性癌細胞株に対する細胞傷害活性を有するクローンをスクリーニング中である。また、A*2402陽性の肺癌患者胸水中の癌細胞より癌細胞株を樹立中であり、同一患者より得られたCTLクローン中、自己癌に対する細胞傷害活性を有するクローンに関してもスクリーニングできる予定である。
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