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1997 年度 実績報告書

RB蛋白質リン酸化酵素の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09254271
研究種目

重点領域研究

研究機関国立がんセンター

研究代表者

田矢 洋一  国立がんセンター, 研究所・生物学部, 室長 (60133641)

キーワードRB蛋白質 / サイクリンD1 / サイクリンE / Cdk4 / Cdk2 / p53 / MDM2 / アセチル化
研究概要

1.RB蛋白質上の14カ所すべての推定リン酸化部位に対応する抗体を、化学合成したペプチドを抗原として用いて作製した。Ser780とSer807についてはモノクローナル抗体もできた。
2.大腸菌で発現させて精製したRB蛋白質を、精製したサイクリンD1-Cdk4、サイクリンE-Cdk2、サイクリンA-Cdk2あるいはサイクリンB-Cdc2でリン酸化した後、これらのリン酸化部位特異的抗体によるウエスタンブロッティングにかけて解析した結果、昨年すでに明らかにしたSer780のほかに、Ser795とSer807とは、サイクリンD1-Cdk4でよくリン酸化されるが他のCdk類ではほとんどリン酸化されない部位であることがわかった。これとは逆に、Thr356、Ser612、Thr821やThr826はCdk2ではよくリン酸化されるが、サイクリンD1-Cdk4ではほとんどされない部位であることがわかった。推定リン酸化部位を含む非リン酸化ペプチドをこれらのCdk類でリン酸化する実験によっても同様の特異性が得られた。
そして、同調化した細胞の抽出物をこれらのリン酸化部位特異的抗体によるウエスタンブロッティングにかけて解析した結果、in vivoでも同様な特異性があることが確認できた。
3.p53のほぼすべての予想されるリン酸化部位(約10カ所)と2カ所のアセチル化部位を特異的に認識する抗体が作製できた。
4.p53は普通の細胞ではごく微量しか存在しないけれども、ガンマ線や化学発癌物質などでDNAにダメ-ジを受けると増加してきて、転写活性化能ももつようになる。その際、mRNAは増加しない。そのメカニズムを初めて解明した。即ち、DNAダメ-ジによってp53のN末端から15番目にあるセリン残基のリン酸化が誘導されて、MDM2蛋白質がp53に結合しなくなり、その結果、安定化されて、転写活性化能も高まることを明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Taya,Y.: "RB-kinases and RB-binding proteins:new points of view." Trends Biochem.Sci.22. 14-17 (1997)

  • [文献書誌] Shieh,S-Y.et al.: "DNA damage-induced phosphorylation of p53 alleviates inhibition by MDM2." Cell. 91. 325-334 (1997)

  • [文献書誌] Siliciano,J.D.et al.: "DNA damage induces phosphorylation of the amino terminus of p53." Genes Dev.11. 3471-3481 (1997)

  • [文献書誌] Ko,L.J.et al.: "p53 is phosphorylated by CDK7/cyclinH in a p36/MAT1 dependent manner." Mol.Cell.Biol.17. 7220-7229 (1997)

  • [文献書誌] Taya,Y.et al.: "Cdk4-cyclin D1 and Cdk2-cyclin E/A phosphorylate different sites in the RB protein." Genomic Instability and Immortality in Cancer. 229-231 (1997)

  • [文献書誌] Lu,H.et al.: "Ultraviolet rediation,but not gamma radiation or etoposide-induced DNA damage,results in the phosphorylation of the murine p53 protein at serine-389" Proc.Natl.Acad.Sci.USA. (in press).

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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