研究概要 |
第11染色体長腕q23領域に存在するヒト肺非小細胞がん抑制遺伝子の単離を目的として、以下の解析結果を得た。 1.この領域に存在する酵母人工染色体(YAC)クローンを、ヒト、並びにマウス肺非小細胞がん細胞A549,LLCに導入することにより、1つのYACにクローン化された約1.6メガ塩基対の断片内に腫瘍原性を抑制する活性が存在することを確認した。 2.このYACクローンを断片化し、同様の解析をA549細胞を用いて行うことにより、約800キロ塩基対の断片内にがん抑制活性が存在することを見出した。 3.この約800キロ塩基対の領域が、手術摘出肺がん組織DNAにおいてヘテロ接合性の消失(LOH)を示す最小共通領域と重複することを明らかにした。 4.この領域を網羅する、連続した細菌人工染色体(BAC)並びにファージ人工染色体(PAC)クローンを得た。 5.この領域に存在する候補遺伝子の一つをクローニングした。 また、第5染色体長腕領域に存在する肺小細胞がん抑制遺伝子の単離を目的として、以下の解析結果を得た。 1.ヒト肺小細胞がん培養細胞の2例で、この領域の一部のホモ欠失を見出した。 2.ホモ欠失領域を、一つのYACにクローン化された断片内に限定した。 3.ホモ欠失領域を網羅する連続したBACクローンを得た。
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