研究課題/領域番号 |
09255101
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研究種目 |
重点領域研究
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松田 彰 北海道大学, 薬学部, 教授 (90157313)
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研究分担者 |
佐々木 琢磨 金沢大学, がん研究所, 教授 (90109976)
綿矢 有佑 岡山大学, 薬学部, 教授 (90127598)
関根 光雄 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (40111679)
渋谷 雅之 徳島大学, 薬学部, 教授 (40027066)
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キーワード | ドラッグデザイン / 抗がん剤 / 代謝拮抗剤 / アポトーシス / 血管新生 / エンジイン |
研究概要 |
1.ECTP(ECyd5′トリリン酸)は、FM3A細胞の単離核中でのRNA合成を著しく阻害することを明らかにした。この実験系でのECTPのKi値は、12.1nMであった。さらに、ECydはアポトーシスを誘導することを明らかにした。また、その誘導過程にcaspase、およびserine proteaseが関与していることを明らかにした。2.DNAおよびRNA合成両者を阻害する新規代謝拮抗剤としてヒドロキシルアミンを糖部に持つヌクレオシド、2′DHACを設計・合成した。2′DHACは、invitro,in vivoでL1210細胞に対して優れた抗がん性を示した。また、2′DHACはピリミジンリボヌクレオシドに対するサルベ-ジ酵素であるuridine/cytidinekinaseによりリン酸化を受け、DNA合成を阻害するユニークな作用機序を持っていることも明らかにした。3.核酸切断活性物質のモデルとして、DNAアルキル化部位を持つオリゴピロール誘導体を、また、ネオカルチノスタチンのモデルとして、ナフタレンカルボン酸の分子内関与により活性ラジカルを発生する物質を設計・合成した。4.核酸塩基部およびリン酸に保護基を導入しない新しいDNA合成法を開発し、この方法によってDNAのリン酸ジエステル結合を修飾した種々の新規アンチセンス核酸を合成した。5.新規血管斯生阻害性抗がん剤の開発を目的としてウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベータ-(u-PA)産生阻害活性を有する血管新生阻害剤の探索研究を行った。イルソグラジン誘導体4PyDATはin vitro u-PA産生阻害試験でHT-1080細胞に対する強いu-PA産生阻害作用を示し、in vivoでもイルソグラジンに比べより強力な血管新生阻害作用を示すことが明らかになった。さらに、マウス異種移植実験モデルを用いて抗腫瘍効果を検討した結果4PyDATの経口投与は有意な腫瘍増殖抑制作用を示した。
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