• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

大脳体性感覚野バレル形成における新奇な神経特異的プロテオグリカンの機能

研究課題

研究課題/領域番号 09260238
研究機関愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所

研究代表者

大平 敦彦  愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, 部長 (20101074)

研究分担者 松井 ふみ子  愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, 助手
時田 義人  愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, 研究員 (50291175)
キーワードプロテオグリカン / ニューログリカンC / NGC / コンドロイチン硫酸 / 脳 / 神経回路 / シナプス / バレル
研究概要

ニューログリカンC(NGC)は、私達が神経回路網形成期のラット脳において発見した新奇な膜貫通型コンドロイチン硫酸プロテオグリカンである。大脳体性感覚野に存在するバレル構造の形成過程において、視床皮質線維からの入力が開始する時期に一致して、NGCがバレルの内腔から消失していくことから、NGCの発現は神経活動に依存していると考えられる。本研究の目的は、NGCの構造と機能を解明することにより、神経回路形成の分子機構の一断面を明らかにすることである。本年度の成果は、次の通りである。
1.NGCは一部のシナプスに存在する:マウス小脳の発達に伴うNGCの分布変化を免疫組織化学的に調べたところ、小脳発達の初期にはプルキンエ細胞の細胞体表面に分布していたが、発達に伴い樹上突起表面に班点状に分布するようになった。この結果から、NGCは、樹上突起と登上線維との間のシナプス部に存在することが示唆された。
2.成熟小脳のNGCは、コンドロイチン硫酸側鎖を結合していない:NGCの量は、小脳発達に伴い生後15日頃までは減少するが、その後一定になることがわかった。興味あることに、小脳が機能的に成熟する生後20日以降では、NGCは、コンドロイチン硫酸を結合していない非プロテオグリカン型の分子が主体であった。
3.NGCには、スプライシングによるアイソフォームが存在する:NGCの発現調節機構の研究とノックアウトマウス作製を目的として、マウスNGC遺伝子の解析を始めた。これまでのラットおよびヒトの研究では、NGCのアイソフォームは得られていないが、今回マウスNGCのcDNAをクローニングしている過程で、スプライシングによるアイソフォームが少なくとも3種類存在することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Preobrazhensky,A.A.,Oohira,A..et al: "Identification of monoclonal antibody At5 as a new member of HNK-1 antibody family : The reactivity with myelin-" Neurochemical Research. 22. 133-140 (1997)

  • [文献書誌] Atoji,Y.,Yamamoto,Y.,Suzuki,Y.et al.: "Immunohistochemical localization of neurocan in the lower auditory nuclei of the dog." Hearing Research. 110. 200-208 (1997)

  • [文献書誌] Fukuda,T.,Kawano,H.,Ohyama,K.et al.: "Immunohistochemical localization of neurocan and L1 in the formation of thalamocortical pathway of developing rats." Journal of Comparative Neurology. 382. 141-152 (1997)

  • [文献書誌] Matsui,F.,Nishizuka,M.,Yasuda,Y.et al.: "Occurrence of an N-terminal proteolytic fragment of neurocan,not a C-terminal half,in a perineuronal net in the adult" Brain Research. (in press). (1998)

  • [文献書誌] Ohyama,K.,Kawano,H.,Asou,H.et al.: "Transient and coodinate expression of L1 and 6B4 proteoglycan/phosphacan in the ventral mesencephalon is correlated with" Developmental Brain Research. (in press). (1998)

  • [文献書誌] Oohira,A.,Aono,S.,Matsui,F.et al.: "Transmembrane chondroitin sulfate proteoglycans in the developing brain : Involvement in signal transduction as well" Connective Tissue. 30(in press). (1998)

  • [文献書誌] 時田 義人、大平 敦彦: "脳における情報伝達(分担、pp.371-374)" 共立出版「蛋白質核酸酵素増刊」(芳賀、三品、植村、宮本編), 412 (1997)

  • [文献書誌] 大平 敦彦: "細胞外マトリックス研究法;基礎知識からデーターの解釈まで(分担)" コラーゲン技術研修会(畑、服部、荒井編)(印刷中), (1998)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi