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1997 年度 実績報告書

膜蛋白質のトポロジー形成機構と構造予測

研究課題

研究課題/領域番号 09261227
研究機関九州大学

研究代表者

阪口 雅郎  九州大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30205736)

キーワード膜蛋白質 / シグナル配列 / トポロジー / 小胞体 / 疎水性
研究概要

【1】正電荷によるマルチスパン型膜蛋白質のトポロジー制御
4本の疎水セグメントをもつモデル蛋白質を構築しそれらのトポロジーを、粗面小胞体膜を添加した試験管内発現系を用いて解析した。その結果:(1)マルチスパン膜蛋白質においても正電荷によって膜内配向性が制御されていること、(2)正電荷の分布によっては疎水性配列がすべて組み込まれず、特定の疎水セグメントが膜外に配置される場合があることを明らかにした。
【3】マルチスパン膜蛋白質、赤血球 Band3、の立体構造形成機構の解明
赤血球のBand3蛋白質は14本の膜貫通セグメントを有する典型的なマルチスパン型膜蛋白質である。このような複雑な膜内トポロジーを示す膜蛋白質のトポロジー(立体構造)形成の機構を明らかにするために、まずそれぞれのセグメント単独での膜透過再開機能と膜透過停止機能を評価し、膜内でのトポロジー形成機構との関連を調べた。その結果、単独では膜との相互作用が不十分であり組み込みに積極的な寄与が期待できないセグメントをいくつか明らかにした。これらのセグメントの組み込みには、膜内での構造形成の過程において膜貫通配列間の相互作用が必要であることが明らかになった。さらに、蛋白質合成に共役した組み込みにおいて、よりカルボキシル末端側にあるセグメントの機能によってそのアミノ末端側のセグメントが組み込まれる過程のあることを明らかにし、この知見をもとに疎水性度の低いセグメントの組み込みモデルを提唱した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Gafvelin,G.: "Topological rules for membrane protein assembly in eukaryotic cells." J.Biol.Chem.272. 6119-6127 (1997)

  • [文献書誌] Makishima,T.: "The highly conserved DAD1 protein involved in apoptosis is required for N-linked glycosylation." Genes to Cells. 2. 129-141 (1997)

  • [文献書誌] Sakaguchi,M: "Eukaryotic protein secretion." Current Oppin Biotech.8. 595-601 (1997)

  • [文献書誌] Yamazaki,S.: "Identification and functional characterization of yeast Z-COP." J.Biochem.121. 8-14 (1997)

  • [文献書誌] 阪口 雅郎: "チトクロームP450の細胞内オルガネラ膜への局在化機構" 生物物理. 37. 52-57 (1997)

  • [文献書誌] 阪口 雅郎: "膜蛋白質の膜への組み込みと膜内トポロジー形成を支配する分子内シグナル配列の解明" 生化学. 69. 1-15 (1997)

  • [文献書誌] Kida,Y.: "Membrane topology of NADPH-cytochrome P450 reductase on the endoplasmic reticulum." Arch.Biochem.Biophys.(in press). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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