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1997 年度 実績報告書

生殖細胞における染色体テロメアの機能構造の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09264207
研究機関東京工業大学

研究代表者

石川 冬木  東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (30184493)

研究分担者 松浦 彰  東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (10272692)
キーワードテロメレース / TERT
研究概要

生殖細胞と体細胞の間で際だった相違を示す生化学的特徴の一つとして、テロメレース活性をあげることができる。一般にゲノムDNAに作用するテロメレース活性は非常に低いために、従来、その構造決定はおろか、高度精製標品を用いた生化学的研究も進んでいなかった。しかし、テロメレースの活性を制御している因子を同定し、また生殖細胞においてテロメレースがいかなる生物学的意義を持っているかを明らかにすることは、生殖細胞の特徴を分子レベルで解明する上で、非常に重要な知見をもたらすと考えられる。平成8年度における本研究により、我々はテロメレース活性化機構の鍵を握ると考えられる哺乳類テロメレースの蛋白質成分TEP1cDNAをクローニングした。本年度は、ヒトテロメレース触媒サブユニット蛋白質をコードしている遺伝子TERTを同定した。TERT遺伝子は全長1132アミノ酸のORFをもつ新規遺伝子であり、予想されるアミノ酸配列には逆転写酵素で保存されているモチーフが存在する。細胞がもつテロメレース活性の有無とTERT遺伝子の発現の有無とはよく相関した。テロメレース活性をもたない有限寿命ヒト正常線維芽細胞は、TERT遺伝子の発現を示さないが、これにTERT遺伝子をトランスフェクションして強制発現すると、テロメレース活性が誘導されることが明らかとなった。以上のことから、TERT遺伝子の発現の有無がテロメレース活性の有無を規定する第一義的な役割を果たしていることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Makayama,J. et al: "TLP1:A gene encoding a protein component of mammalian telomerase is a novel member of WD-repeats family" Cell. 88. 875-884 (1997)

  • [文献書誌] Ishikawa,F.: "Telomere crisis,the driving force in cancer cell evolution" Biochem.Biophys.Res.Commun.230. 1-6 (1997)

  • [文献書誌] Hatakeyama,S. and Ishikawa,F.: "ICE:a novel and efficient method for isolation of chromosomal ends" Genatic Analysis:Biomolecular Engineering. 14. 45-46 (1997)

  • [文献書誌] Ishikawa,F.: "Regulation mechanisms of mammalian telomerases" Biochemistry(Moscow). 62. 1332-1337 (1998)

  • [文献書誌] Nakayama,J.et al: "Telomerase activation by the catalytic component gene TRT in human primary fibroblasts and hepatocellular carcinomas" Nature genatics. 18. 65-68 (1998)

  • [文献書誌] Hatakeyama,S.et al: "The jumping translocation at 1q21 involves shortened telomeres" Blood. 9191. 1514-1519 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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