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1997 年度 実績報告書

ヒトデ卵母細胞の1-メチルアデニン情報伝達系

研究課題

研究課題/領域番号 09264208
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

千葉 和義  お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (70222130)

キーワードヒトデ / GTP結合蛋白質 / レセプター / 卵母細胞 / 卵成熟 / MPF / リン酸化
研究概要

【目的】 ヒトデ卵母細胞は、ホルモンである1-メチルアデニン(1-MA)によって、減数分裂を再開する。われわれはこれまでに、三量体GTP結合蛋白質(G)が1-MAの情報伝達系に関与することを明らかにしてきた。すなわち、1-MAは卵表のレセプターに結合し、その情報はGのαサブユニット(Gα)に伝達される。その結果、Gαから解離したGβγが最終的にはMPFの形成に働き、減数分裂が再開されると考えられる。本研究では、GβγからMPF形成までの情報伝達系を明らかにすることを目的とする。
【経過】昨年度に開発した、ヒトデ卵cell free系では、in vitroで核分裂(GVBD)と染色体の凝集を引き起こした。これらの現象はin vivoを忠実に再現するものであり、cell free系の有用性が強く期待された。本年度は、Gβγの標的分子を明らかにするために、本cell free系を活用した。
【本年度成果】ヒトデ未成熟卵に放射性のATPをマイクロインジェクションし、1-MAで処理したところ、62kDaの蛋白質が4分以内にリン酸化されることが明らかになった。このin vivoにおけるリン酸化は、in vitroにおいても再現された。すなわち、未成熟卵を用いて作成したcell free系に1-MAを添加したところ、62kDaの蛋白質はリン酸化された。さらに1-MAの代わりにGβγをcell free系に添加した場合にも、濃度依存的に62kDaの蛋白質がリン酸化された。リン酸アミノ酸分析の結果、62kDa蛋白質のセリン残基がリン酸化されていることが示された。したがって1-MA情報伝達系には、Gβγによって活性化されるセリンキナーゼが関与することが明らかになった。
Gβγとセリンキナーゼの間に介在する分子を明らかにするために、各種阻害剤による62kDa蛋白質リン酸化の影響を検討した。PI3キナーゼの特異的な阻害剤であるワ-トマニンをcell free系に添加したところ、Gβγによる62kDa蛋白質リン酸化が阻害された。in vivoにおていも、ワ-トマニンは1-MA依存的なGVBDを阻害したことから、GβγはPI3キナーゼを活性化すると考えられた。現在I3キナーゼによって活性化されるセリンキナーゼの同定を試みている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] CHIBA,K,Sato,E, HOSHI,M: "Detection of in vivo proteasome activity in a starfish oocgee using membrame-impermant substrate" J.Biochem. 122. 286-293 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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