研究概要 |
1.CENP-AとHP1の機能構造 ヒトヘテロクロマチン蛋白質HP1^<HSα>については、in vitroの解析ではあるが,N末端とC末端領域に自己会合能が認められた。また,GFPを指標に用い,in vivoにおいてもそれに対応する活性,すなわち,セントロメアへの局在性が認められた。CENP-Aについては、大腸菌による発現が非常に困難であるため,出芽酵母を用いた宿主ベクター系に変更し、その発現に成功した。 2.アフィニティーDNA沈降法によるセントロメアDNAの単離 CENP-B蛋白質については,アフィニティー沈降法を用い,ヒトゲノムライブラリーより単離したcos2クローンについて,由来する染色体,並びに,CENP-B結合配列の分布を解析した。この配列は染色体6番のセントロメア領域に由来し,その3kbの高次繰り返し中には7-8個のCENP-B結合配列を含み,かつ,結合配列に富む1kbの領域は他のグループにより単離されている同染色体由来のアルホイドの高次繰り返しにもよく保存されていることが判明した。また,CENP-Bの結合配列について、新たに43種の合成オリゴDNAを用いてその結合に必要なDNAの大きさ,塩基の特異性を決定した。これらは,その結合の強さにより4つのクラスに分類された。 3.新たなセントロメア蛋白質をコードする遺伝子の単離 動原体内層を構成する蛋白質として知られるCENP-A,Cについて,これと相互作用するような新たなセントロメア蛋白質を同定するため,出芽酵母のtwo-hybridシステムを用いてヒトcDNAライブラリーのスクリーニングを行った。これらについては現在解析中である。
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