研究概要 |
本研究においては,PACE4Aおよび申請者らにより同定されたPACE4C,PACE4D,PACE4Eの4つよりなるPACE4アイソフォームの細胞特異的発現機構及びその生理機能の違いを解明するため,PACE4遺伝子5'-上流域の機能解析,アイソフォームの酵素学的性質,脳,内分泌器官における分布を明らかにした.特に,PACE4Cはインスリン産生との関連,PACE4Eは脳内神経ペプチド産生との関連を追求した.antisense RNAの発現系を作製し,PACE4によるペプチド産生への寄与を解析した. PACE4遺伝子の5'-上流域をコードするDNA断片をクローニングし,プライマーエクステンション法を用いて,各種培養細胞及び各種臓器より分離したpoly(A)+RNAを鋳型として転写開始点の決定を行い,各アイソフォームの転写開始点の違いを明らかにした. 5'-上流域DNA断片をレポタ-ジーンであるルシフェラーゼ発現ベクターに組み込み,培養細胞にトランスフェクションを行い,発現したルシフェラーゼ活性を測定することにより,プロモーター領域とくにbHLH転写因子による発現調節を行うシスエレメントを同定した.
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