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1997 年度 実績報告書

受容体よりShcを介する増殖、アポトーシス、分化の情報伝達機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09273215
研究機関東京大学

研究代表者

後藤 典子  東京大学, 医科学研究所, 助手 (10251448)

研究分担者 渋谷 正史  東京大学, 医科学研究所, 教授 (10107427)
キーワードShc / JNK / リン酸化 / EGF / Ras / ERK / 細胞増殖
研究概要

1.Shc-JNK pathwayの発見
EGFなど増殖因子により、JNKの活性化が起こるが、そのメカニズムや生物学的役割は、不明である。我々はShcに新たなリン酸化部位Y52/56があることを示唆する結果を得た。COS細胞にShcのリン酸化部位の変異体を発現させると、EGF刺激によるJNKの活性化が、野性型Shc及びY239/240/317FShc発現細胞では強く起こるが、Y52/56FShc発現細胞ではほとんど起こらなくなった。また、EGF刺激によるERK及びp38は、Y52/56FShc発現細胞においても十分に活性化した。さらに、Y52/56FShc発現細胞は、EGFによる細胞増殖を抑制した。すなわち、EGFによるShcY52/56のリン酸化は、Ras-ERKやp38を活性化する経路とは独立した経路を介してJNKを活性化し、細胞増殖に重要な役割を果たしていることを示唆した。
2.Shcと相互作用する分子の同定
ShcY317には、Grb2が結合することがわかっているが、Y239/240及びY52/56に相互作用する分子は同定されていない。これらShcリン酸化部位に相互作用する分子を同定する目的で、trkAキナーゼの細胞内ドメインとShc317F(PTB+CHドメイン)とを融合させた蛋白質を酵母内で発現させ、yeast two hybrid systemを用い、マウス胎児由来cDNAライブラリーをスクリーニングした。その結果、srm tyrosine kinase,Lnk及び新規分子のcDNAが単離された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Gotoh,N.: "Tyrosine phosphorylation sites at amino acids 239 and 240 of Shc are involved in epidermal growth factor-induced mitogenic signaling that is distinct from Ras/mitogen-activated protein kinase activation." Mol.Cell.Biol.17巻. 1824-1831 (1997)

  • [文献書誌] Sato,K.-I.: "Tyrosine residue 239 and 240 of Shc are phosphatidylinositol 4,5-bisphosphate-dependent phosphorylation sites by c-Src." Biochem.Biophys.Res.Commun.240巻. 399-404 (1997)

  • [文献書誌] 後藤典子: "EGF受容体のシグナル伝達" 実験医学、増刊号 細胞増殖因子研究の最前線'97-'98. 15巻9号. 29-34 (1997)

  • [文献書誌] 後藤典子: "チロシンキナーゼと癌" 医学のあゆみ、シグナル伝達からみた癌の分子機構. 182巻1号. 4-9 (1997)

  • [文献書誌] 後藤典子: "Shc" BioScience 用語ライブラリー 癌遺伝子・癌抑制遺伝子. 160-161 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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