研究分担者 |
林 浩昭 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60180973)
佐野 浩 奈良先端科学技術大学院大学, 遺伝子教育センター, 教授 (20178809)
水野 猛 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (10174038)
斉藤 和季 千葉大学, 薬学部, 教授 (00146705)
山谷 知行 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (30144778)
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研究概要 |
杉山はトウモロコシにおいて(1)サイトカイニン誘導性ZmRR1,2のサイトカイニン(Cytk)応答性プロモーターを取得し、主に葉肉細胞と孔辺細胞で発現すること、(2)Bタイプレスポンスレギュレーター(RR)に相同し、Cytkに非応答の新規同定のRR(ZmRR8)はZmRR1,2とともに、ZmHP1,2と相互作用しうること、シロイヌナズナ(ARB)において(3)AタイプRRは茎頂や根端の分裂組織で多く発現すること、(4)少なくとも3種のCytk合成酵素を単離・同定した。佐野は(1)ωpk4の類似遺伝子6種をARBで取得し、(2)14-3-3タンパク質の標的タンパク質として4種のタンパク質(CBL2,ATSR1,WL1,2)の存在を指摘し、CBL2が上記他の3タンパク質と相互作用してカルシウムを介した糖の情報伝達に関与することを示唆し、(3)AtsR2とWL2遺伝子の破壊植物体を作製した。水野は、ARBについて(1)新規のHisキナーゼ3種(AHK2,3,4)の遺伝子を取得し、AHK4がサイトカイニンセンサーであること、(2)AHP2の過剰発現体がサイトカイニンに過敏応答すること、(3)Bタイプレスポンスレギュレーターが核に移行することを証明し、(4)疑似レスポンスレギュレーター5種を取得し、それらが時計分子機構に関与することを明らかにした。林は(1)師部特異的発現プロモーターを利用し、イネ葉の師管内に目的タンパク質の導入に成功した。(2)イネ師管にacyl-CoA結合タンパク質とグルタチオン-S-トランスフェラーゼを新規に同定し、前者は師管以外に伴細胞にも存在することを明らかにした。山谷は(1)イネ伴細胞特異的なプロモーターで制御されたGS1アンチセンス形質転換体を作出、(2)NADH-GOGATアンチセンスイネで分けつ数と千粒重の低下を明らかにした。斉藤はARBで(1)イオウ欠乏で誘導される高親和型硫酸イオントランスポーター3種を取得しその機能を明らかにし、(2)低親和型硫酸イオントランスポーター(Sultr2;1)のアンチセンス植物体を解析し、このトランスポーターは種子への硫酸イオン輸送に関与することを指摘するとともに、(3)細胞質局在型アセチル転移酵素の点変異体を用い、0-アセチルセリンを介してこの酵素がイオウ同化を制御することを明らかにした。
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