研究分担者 |
井出 宏之 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70022704)
上野 直人 基礎生物学研究所, 発生生物学研究系, 教授 (40221105)
黒岩 厚 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20134611)
松原 謙一 DNAチップ研究所, 所長 (20037394)
江口 吾朗 熊本大学, 学長(研究職) (80022581)
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研究概要 |
今年度は平成9年〜平成12年度までのこの「ボディープラン」の班の総まとめを行った。その結果、この班ではこの4年間にNature, Cell, Science, ProNASなど、いわゆる国際的に超一流といわれるjournal(impact factor 10以上のもの)に354編、また、Moleculer Cell Biology, J. Biol. Chem., Develop. Biol., など一流雑誌(impact factor 5.0以上)のものに700編発表しており、国際的レベルでの研究が一段と進んだといえる。この領域研究では2つの「シグナル班」と「形態形成班」に分かれているが、各班とも次々と新しい成果を出し、国際誌に多数発表が行われている。「分子シグナル班」では上野、多羽田らのTGF-βファミリーの中でのBMP、ノッチの解析が一段と進み、それらのSmadを通してのクロストークも明らかにされてきている。浅島らは新規のノーダル5,6を解析し、wnt系係との関係が明らかとなっている。また、佐藤と内山はT-box遺伝子と形態形成の関係を証明した。また、岡野は神経幹細胞におけるMsi 1とNotchシグナルとの関係を明らかにした。一方、「形態形成遺伝子班」では黒岩らの四肢形成におけるSix 2の発現ととHoxa-13との関係がまたそれにBMPシグナルの関与なども明らかにされてきている。近藤らは目の形成のためのPax 6とSEF-3およびSox 2の遺伝子の解析を行って、遺伝子間と組織間との関係を解析した。鍋島らは神経発生におけるstef遺伝子およびRho類似Gタンパク質をクローニングし、それがシナプス形成に関与することを示した。このようにして当初、計画した「シグナル分子班」と「形態形成遺伝子班」の相互関係が非常にうまくかみあって、両輪となって「ボディープラン」の理解を一段と深め、目的をほぼ達したといえる。そして、全体的にはここにきて分子シグナルとそれによる形態形成遺伝子の相互作用によるボディープランの全体像がみえてきたと考えている。
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