研究課題/領域番号 |
09275103
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
黒岩 厚 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20134611)
|
研究分担者 |
西田 育巧 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50107059)
鍋島 陽一 京都大学, 大学院・医学研究所, 教授 (60108024)
仲村 春和 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90079690)
高橋 直樹 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (30179501)
近藤 寿人 大阪大学, 細胞生体工学センター, 教授 (70127083)
|
キーワード | Hox遺伝子 / 転写調節 / 四肢筋パターン形成 / 水晶体分化 / 神経パターン形成 / 細胞骨格系 / ショウジョウバエ / MAPキナーゼ |
研究概要 |
四肢筋前駆体で時間的空間的に特徴的な発現様式を示すHoxa-11とHoxa-13について、これらの発現を制御する肢芽間充織因子について解析を行った。FGFはHoxa-11の誘導を行い、FGF,HGFは維持に機能する。肢芽後部間充織からのBMP-2シグナルは四肢筋前駆体のHoxa-13の発現に必要とされることが明らかになった。(黒岩) δ-クリスタリン・エンハンサーに作用する様々な転写制御因子の機能を評価した結果、(1)SOXの結合はδ-クリスタリン・エンハンサーの活性に必須である。(2)PAX6の結合は水晶体上皮でのクリスタリン発現を抑制している。 (3)LargeMAFは、水晶体繊維部分でのエンハンサーの活性を高めることが明らかになった。(近藤) マウスHox標的遺伝子nmab1のシスエレメントの解析を行いHoxのin vivo結合領域に転写調節領域が存在することを明らかにした。線虫mab21遺伝子のエレメントの解析も行い、Hox(eg15)と遺伝学的に相互作用するrayでの発現を規定するエレメントによる発現が、eg15の異所的発現によって誘導されることを明らかにした。(高橋) Pax-5とFGF8が中脳視蓋の誘導に関わる中脳後脳境界部(峡部)で機能していることをin ovo electroporation法により検証した。また峡部より頭方で発現しているOtx-2と尾方で発現しているGbx2の強制発現実験よりOtx-2とGbx-2の境界部にFgf8の発現が誘導されることが示された。(仲村) 神経回路網形成の基盤となる神経突起の伸展や移動などの分子機構を解析する目的で、新規グアニンヌクレオチド交換因子STEFを同定し構造を決定した。神経系における発現の解析や、培養細胞への遺伝子導入によりSTEF分子がRacの活性化を介してアクチン細胞骨格系の構造変化を引き起こし、神経細胞の移動や神経突起の伸長、およびシナプス形成等に関与していることが示唆された。(鍋島) ショウジョウバエMAPKKの優性復帰突然変異株の検索から、スフィンゴ脂質生合成の初期反応を触媒するSerinepalmityo-transferaseをコードする生存に必須なlaceを同定した。これの温和な変異体では、セラミドなどのスフィンゴ脂質のde novo合成の異常によりアポトーシスシグナルに対する感受性が高まっており、JNKカスケードの活性化によりアポトーシスが誘導され、一方、MAPKカスケードは抑制することが示唆された。(西田)
|