• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

運動ニューロン回路形成機構

研究課題

研究課題/領域番号 09275221
研究機関熊本大学

研究代表者

田中 英明  熊本大学, 医学部, 教授 (90106906)

キーワード運動ニューロン / Eph受容体型チロシンキナーゼ / 阻害モノクローナル抗体 / 軸索成長 / ガイダンス
研究概要

Eph受容体型チロシンキナーゼのサブタイプであるEph A3、Eph A4がニワトリ胚運動ニューロンのサブタイプに一過性に発現し、そのリガンドEphrin-A2、Ephrin-A5は培養運動ニューロンからの神経突起成長を阻害することから、Eph受容体型チロシンキナーゼとリガンドは神経回路形成の最も重要なステップである軸索成長に阻害的に働くガイダンス因子として機能する可能性をこれまでに見い出している。
この研究計画では、胚内での機能を解析するために、Eph受容体型チロシンキナーゼとリガンドはクロストークが盛んであるため、それぞれの機能阻害抗体を開発し、阻害抗体のカクテルを投与することを目的とした。Eph受容体と膜タンパクであるリガンドの細胞外領域とヒトIgGのFc部とのキメラ蛋白を作製し、マウスモノクローナル抗体を多数作成した。得られたハイブリドーマ上清を用いリガンドと受容体の結合阻害をスクリーニングし、抗Ephrin-A2抗体としてB1、B2、B3、B4、抗Ephrin-A5抗体としてRAb1、RAb4、抗Eph A3抗体として♯9、♯15、抗Eph A4抗体として♯16、♯18に結合阻害活性を見出した。さらに、ニワトリ胚視蓋の膜分画を使用したストライプアッセイにより、これらの抗体が機能阻害活性を持つかどうかを調べ、特に抗Ephrin-A2抗体B3、抗Eph A3抗体♯15、抗Eph A4抗体♯16に強い網膜神経節細胞からの神経突起成長阻害活性を見出した。
今後は、これらの機能阻害抗体を使用して胚内で果たしてEph受容体型チロシンキナーゼとリガンドが運動ニューロンの軸索成長のガイダンス因子として働いているかどうかを明らかにしていく予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Tanaka Hideaki: "Commitment of motoneuron progenitors of chick embryo along the anterior-posterior axis." Developmental Neuroscience. 19・1. 106-111 (1997)

  • [文献書誌] Tanaka Hideaki: "Low-affinity nerve growth factor receptor is associated with motoneuron axonal pathways." Neuroscience Research. 27・1. 21-27 (1997)

  • [文献書誌] Monschau Bruno: "Shared and distinct functions of RAGS and ELF-1 in guiding retinal axons." The EMBO Journal. 16・6. 1258-1267 (1997)

  • [文献書誌] Ohta Kunimasa: "The inhibitory effect on neurite outgrowth of motoneurons exerted by the ligands ELF-1 and RAGS." Mechanisms of Development. 64・1-2. 127-135 (1997)

  • [文献書誌] Hirano Shigeki: "Normal ontogenic observations on the expression of Eph receptor tyrosine kinase, Cek8, in chick embryos." Anatomy & Embryology. 197・3. 187-197 (1998)

  • [文献書誌] Tanaka Hideaki: "Molecular basis of axon growth and nerve pattern formation" 学会出版センター/S.Karger 刊, 9 (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi