研究分担者 |
石川 統 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70012482)
徳田 元 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (40125943)
後藤 祐児 大阪大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (40153770)
桑島 邦博 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70091444)
河田 康志 鳥取大学, 工学部, 助教授 (40177697)
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研究概要 |
本年度の各分担者の研究状況は以下の通りである。 吉田 賢右 シャペロニンと基質タンパク質の相互作用を滴定型熱量計で解析した。緑蛍光タンパク質(GFP)の2量体、3量体および大腸菌の全可溶性タンパク質を用いて、GroELはどの大きさの分子まで基質タンパク質としてGroELの中央空洞に収容出来るのかを調べた。 河田康志 細胞内で構造形成が正しくできないために生じるインクルージョンボディの解消に、シャペロニンを共発現させてその効果を調べた。βグルコシダーゼと共発現させたGroEL/ESは,37°Cではインクルージョンボディの20%を可溶化させ,25°Cでは70%も可溶化させることができた。in vivoにおける外来タンパク質の構造形成反応にシャペロニンが有効であることが実験的に示された。 桑島 邦博 GroELの構造の動的側面を,赤外吸収スペクトルを用いた水素交換反応を利用して調べた。 後藤 祐児 GroELの基質蛋白質認識機構を研究した結果、GroELは基質蛋白質の溶媒に露出した疎水的クラスターを認識することを示した。また、静電的相互作用は、基質蛋白質の電荷に依存して相互作用に影響を与えることを示した。 徳田 元 効率の良いタンパク質の膜透過には、SecAとSecGが共役して構造変化を起こすことが必須であることを証明した。リポタンパク質が内膜からLolAと複合体を形成して遊離するためには、内膜タンパク質によるATP加水分解が必須であることを見いだした。 石川 統 昆虫の細胞内共生微生物が合成するGroELホモログ,シンビオニンは,GroELのAla-133がHisへ置換したことと関連して,GroELのもたないリン酸基転移活性をもっている.GroELおよびシンビオニンのアミノ酸配列を部分的に含むキメラタンパク質をいくつか作製したところ,それらは何れもシャペロン活性ならびに白己リン酸化活性は保持していたが,リン酸基転移活性はもたなかった.
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