研究課題/領域番号 |
09277103
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
石井 俊輔 理化学研究所, 分子遺伝学研究室, 主任研究員 (00124785)
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研究分担者 |
浜田 博司 大阪大学, 細胞生体工学センター, 教授 (00208589)
田中 信之 東京大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (80222115)
影山 龍一郎 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80224369)
安田 國雄 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (30025473)
山本 雅之 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (50166823)
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キーワード | 転写調節 / 標的遺伝子 / 制御因子 / 転写仲介因子 / 変異マウス |
研究概要 |
多細胞生物における高次生命現象の分子的基盤を理解するためには、転写因子レベルでの遺伝子発現調節機構を解明することが不可欠である。個体発生や細胞系列の分化などを分子レベルで理解するために、本研究では発生・分化を時間軸に沿った遺伝子発現カスケードの流れとして捉え、転写因子がそれぞれの細胞系列、発生時期で細胞増殖・細胞死・分化などにどのように関与しているかを検討した。具体的には、以下のような研究結果を得た。 1.Skiがん遺伝子産物が種々のコリプレッサーやヒストンデアセチラーゼと複合体を形成し、多様なリプレッサーによる転写抑制に必須であることを見い出した。 2.BHLHタイプの転写因子Heslの欠損マウスを解析し、Notch-Heslが活性化されるとT細胞が分化し、Notch-Heslが活性化されないとB細胞が分化することが示された。 3.転写因子IRF-l欠損マウスでは自然発癌の発見は上昇しないが、Ha-ras遺伝子のトランスジェニックマウスやp53欠損マウスと掛け合わせマウス腫瘍発生の頻度が著明に上昇する事を見出した。このことから、IRF-lが新規の高発がん感受性遺伝子であることを明らかにした。 4.lefty-2とnodal遺伝子の非対称な発現を制御するエンハンサーへ結合する転写因子として、FASTを同定した。この転写因子は両側に存在するが、左側において何らかのシグナルにより機能が活性化されていると推定された。 5.T boxを含む転写因子Tbx5とTbx4がニワトリにおいて羽と脚を形成する特異性を決定していることを見い出した。 6.抗酸化剤に応答して転写活性化因子Nrf2に結合して、Nrf2を細胞質に停める役割を果たす阻害因子Keapを同定した。
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