研究分担者 |
田中 信之 東京大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (80222115)
浜田 博司 大阪大学, 細胞生体工学センター, 教授 (00208589)
影山 龍一郎 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80224369)
山本 雅之 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (50166823)
平井 久丸 東京大学, 医学部, 助教授 (90181130)
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研究概要 |
多細胞生物における高次生命現象の分子的基盤を理解するためには、転写因子レベルでの遺伝子発現調節機溝を解明することが不可欠である。個体発生や細胞系列の分化などを分子レベルで理解するために、本研究では発生・分化を時間軸に沿った遺伝子発現カスケードの流れとして捉え、転写因子がそれぞれの細胞系列、発生時期で細胞増殖・細胞死・分化などにどのように関与しているかを検討した。具体的には、以下のような研究結果を得た。 1.コリプレッサーSkiの関連遺伝子産物Snoの変異マウスを作製・解析し、もともと発がん遺伝子産物として見い出されたSnoががん抑制因子としでも機能することを明らかにした。 2.促進性bHLH型転写因子Math3とMash1はニューロンへの分化決定因子として機能することが明らかになった。両者はお互いに補いあって幹細胞からニューロンへの運命決定を行うことが明らかとなった。 3.転写因子Pitx2の発現は左側でのみ発現するが、この左側特異的な発現はNodalシグナル伝達経路によって誘導され、転写因子Nkx2によって維持されることが明らかにされた。 4.IRF-1は新規の高発がん感受性遺伝子であるが、癌抑制に関わるIRF-1及びp53の標的遺伝子の同定を進め、その過程でp53依存性に転写誘導される新規遺伝子Noxaを単離した。 5.遺伝子制御領域内のGATA配列を認識するDNA結合蛋白GATA-3はそのアセチル化状態が変化することにより、生体内でのT細胞の生存およびホーミングを制御することが示された。 6.転写因子小Maf群因子が,その存在量により,MAREを介する転写を正にも負にも制御し得ることが,トランスジェニックマウスと遺伝子破壊マウスを用いて,巨核球における小Maf群因子の発現量を操作することにより,証明された。
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