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1997 年度 実績報告書

原子間力顕微鏡を用いた転写因子/DNA相互作用の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09277212
研究機関京都大学

研究代表者

竹安 邦夫  京都大学, 総合人間学部, 教授 (40135695)

研究分担者 太田 敏子  筑波大学, 基礎医学系, 教授 (40233134)
佐藤 雅彦  京都大学, 総合人間学部, 助手 (20283575)
キーワード転写因子 / 原子間力顕微鏡 / ヌクレオソーム / ヒストン
研究概要

本研究では、解像力<nmの原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:AFM)を用いて、タンパク質との相互作用により生じる特定の遺伝子の高次構造を解析する。この方法は、生の試料そのものを直接可視化する。更に、水溶液中でも画像が得られ、生理的条件に近い状態で試料の画像解析ができる。転写因子結合により形成されるDNAのループ構造やクロマチンの構造といった現在提唱されているモデルが、AFMによる可視化で直接証明あるいは修正できると期待される。本年度は(1)AFMの応用法の確立:AFMは新しい物理学的方法であるので、まず、生物学における利用法を検討し、タンパク質を構成するサブユニットの会合様式の推定、タンパク質(転写因子)の重合度とDNA上での結合部位の決定、回文塩基配列によるDNAのステムループの検出などに応用可能であることを示した。(2)単離した真核生物遺伝子(Na/K-ATPase αサブユニット遺伝子、βグロビン遺伝子等)の数万塩基対からなる発現調節部位全体における転写因子結合様式をAFMで解明した。即ち、筑波大学の五十嵐らとの共同でヒトβグロビン遺伝子エンハンサー領域(18kb)に対する調節タンパク質(Maf1/Bach1ヘテロニ量体)の結合様式を調べた結果、DNaseに対する高感受性領域を中心に2つのDNAループが集結することが判った。これは、DNA上の3箇所に結合したMaf1/Bach1ヘテロニ量体がBach1を介してそれぞれ集結することによる。(3)単離した真核生物遺伝子とヒストンとでヌクレオソームを再構成し、その高次構造をAFMを用いて解析する:本年度は、久留米医科大学(現大阪大学)の浦と共同で5SRNA遺伝子とヒストンとでモノヌクレオソーム、ダイヌクレオソームを再構成し、そのAFMによる可視化に成功した。ヌクレオソームに巻かれたDNAの長さ(-150塩基対)、ヌクレオソーム間の距離(-50塩基対)は実測可能であった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Y.Feng: "The Drosophila Na,K-ATPase a-subunit gene : gene structure,promoter function,and analysis of a cold-sensitive recessive lethal mutation." Genes and Function. 11. 99-117 (1997)

  • [文献書誌] F.Tokumasu: "Atomic Force Microscopy for Biochemist." Seikagaku. 69. 429-433 (1997)

  • [文献書誌] K.Takeyasu: "Molecular Assembly of Biological Macromolecules Studied by Atomic Force Microscopy : Quantitative analyses of membrane structures and DNA-protein interactions." Biopoymer Analysis (In press) (未定), (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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