1997 年度実績報告書

RNA高次機能の分子基盤

研究課題

研究課題/領域番号	09278104
研究種目	重点領域研究
研究機関	日本医科大学
研究代表者	太田成男日本医科大学, 老人病研究所, 教授 (00125832)
研究分担者	岡田典弘東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (60132982) 小林悟筑波大学, 生物科学系, 講師 (90225508) 武藤旻弘前大学, 理学部, 教授 (80034635) 渡辺公綱東京大学大学院, 工学系研究科, 教授 (00134502)
キーワード	RNA / 高次機能 / 発生 / 分化 / ミトコンドリア / mtRNA / ミトコンドリア脳筋症 / trans-translction
研究概要	(太田)微量な変異tRNA遺伝子検索のためのシステムを構築し、加齢と共に変異tRNA遺伝子が増加することを明らかにした。渡辺と共同でミトコンドリア病(Cardiomyopathy)患者由来の株化した培養細胞内の変異tRNAは不安定であることを明らかにした。 (渡辺公)動物ミトコンドリアの翻訳系をin vitroで構築することに成功し、非普遍暗号の解読機構を解明しつつある。太田共同で変異tRNA分子物性と構造の関連を明らかにした。 (小林)生殖系列で発現する新規の遺伝子の単離を大規模におこなった。その結果、タンパク質をコードしないPgcRNAと命名した新規の遺伝子の単離に成功した。さらに、mtlrRNAがミトコンドリア外へと輸送され生殖系列の形成に関与していることが明らかとなった。このRNAのミトコンドリア外へと輸送され生殖系列の形成に関与していることを明らかにした。 (岡田)アーケオシン生合成において重要な第一ステップ(塩基成分の交換反応の起こる過程)が解明された。古細菌TGTは部分的に真正細菌TGTと相同な酵素であることが明かにした。 (武藤)tmRNAがtRNAとmRNAの両方の機能を持つことをin vitro系で証明し、さらにin vitroでtrans-translationを行わせる系を確立した。tmRNAの構造を解析し、二次構造のモデルを提唱した。tmRNAのmRNAとして機能するためにはtRNAとしての機能が必須であること、またタグコード領域の流に位置するシュードノット構造がtrans-translationに必要であること等を明らかにしてきた。 (渡辺嘉)本年度から計画研究に参画する。

研究成果

(8件)

すべてその他

すべて文献書誌 (8件)

[文献書誌] Asoh S and Ohta S: "Bcl-2 Completely Blocks Fas-Mediated Apoptosis in mtDNA-Depleted HeLa Cells." Biochem.Biophys.Res Commun. 237. 659-662 (1997)
[文献書誌] Aritomi M.Ohta S et al.: "Crystal Structure of Rat Bcl-x_L;Implication for the Function of the Bcl-2 Protein Family." J Biol Chem. 272. 27866-27892 (1997)
[文献書誌] Hayashi I,Watanabe K et al: "Expression of bovine mitochondrial tRNASerGCU derivatives in Escherichia" Nucleic Acids Res. 25. 3503-3507 (1997)
[文献書誌] Shimimamura M,Okada N et al: "Molecular evidence that whales form a clade within even-toed unguates." Nature(a letter). 338. 666-670 (1997)
[文献書誌] Himeno H Muto A et al: "In vitro trans-translation mediated by alanine-charged 10Sa RNA." J.Mol Biol. 268. 803-808 (1997)
[文献書誌] Felden B Muto A et al: "Probing the structure of the E.coli 10Sa RNA(tmRNA)." RNA. 3. 89-103 (1997)
[文献書誌] 麻生定光、太田成男: "神経精神薬理" アポトーシスにおけるミトコンドリアの新しい役割, 4 (1997)
[文献書誌] 太田成男: "日本医科大学雑誌" アポトーシスと関連疾患, 4 (1997)

1997 年度 実績報告書

RNA高次機能の分子基盤

研究代表者

太田 成男 日本医科大学, 老人病研究所, 教授 (00125832)

研究成果

[文献書誌] Asoh S and Ohta S: "Bcl-2 Completely Blocks Fas-Mediated Apoptosis in mtDNA-Depleted HeLa Cells." Biochem.Biophys.Res Commun. 237. 659-662 (1997)

[文献書誌] Aritomi M.Ohta S et al.: "Crystal Structure of Rat Bcl-x_L;Implication for the Function of the Bcl-2 Protein Family." J Biol Chem. 272. 27866-27892 (1997)

[文献書誌] Hayashi I,Watanabe K et al: "Expression of bovine mitochondrial tRNASerGCU derivatives in Escherichia" Nucleic Acids Res. 25. 3503-3507 (1997)

[文献書誌] Shimimamura M,Okada N et al: "Molecular evidence that whales form a clade within even-toed unguates." Nature(a letter). 338. 666-670 (1997)

[文献書誌] Himeno H Muto A et al: "In vitro trans-translation mediated by alanine-charged 10Sa RNA." J.Mol Biol. 268. 803-808 (1997)

[文献書誌] Felden B Muto A et al: "Probing the structure of the E.coli 10Sa RNA(tmRNA)." RNA. 3. 89-103 (1997)

[文献書誌] 麻生定光、太田成男: "神経精神薬理" アポトーシスにおけるミトコンドリアの新しい役割, 4 (1997)

[文献書誌] 太田成男: "日本医科大学雑誌" アポトーシスと関連疾患, 4 (1997)

1997 年度実績報告書

太田成男日本医科大学, 老人病研究所, 教授 (00125832)