研究課題/領域番号 |
09278104
|
研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
太田 成男 日本医科大学, 老人病研究所, 教授 (00125832)
|
研究分担者 |
渡辺 嘉典 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (20212326)
岡田 典弘 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (60132982)
小林 悟 筑波大学, 生物科学系, 講師 (90225508)
武藤 〓 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (80034635)
渡辺 公綱 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00134502)
|
キーワード | RNA / 高次機能 / ミトコンドリア病 / 生殖細胞 / 減数分裂 / tmRNA / tRNA / 遺伝子変異 |
研究概要 |
tRNA病に関して、渡辺、太田が共同で、ミトコンドリア脳筋症の一病型のMELASおよび母系遺伝性難聴付随糖尿病(MIDD)はミトコンドリアtRNALeu(UUR)遺伝子の点変異によって発症する。遺伝子産物である変異tRNAを精製し、修飾塩基を比較した。正常tRNALeu(UUR)にはアンチコドンの第一文字塩基が修飾塩基であり、コドンのAとGのみを識別するのに対し、変異tRNAには塩基が修飾されておらず、Uであった。ミトコンドリアウォブリングルールにより、別のコドンにもLeu-tRNAがmistranslateすることが示唆された。また、tRNA分子中の別に位置に存在する点変異でも同様な塩基の不修飾が明らかとされ、臨床症状を規定する分子基盤が明らかにされた。さらに、変異ミトコンドリアDNAを変更するのではなく、tRNAの塩基修飾を促進することによって症状の改善を試みる新たな治療法が期待される。 ショウジョウバエの生殖細胞形成には、ミトコンドリアリボソームRNAがミトコンドリア外に遊離されることが明らかにされていた。リボザイムを細胞に導入し、ミトコンドリアrRNAを特異的に切断することによって、生殖細胞の形成が抑制されてので、ミトコンドリアrRNAの関与が明確にされた。が、新しく開発されたミトコンドリア外に存在するRNA検出法を用いることによって、ショウジョウバエだけでなく、カエルがホヤにおいても、卵成熟の早い時期にミトコンドリアrRNAがミトコンドリア外に遊離することが明らかとなった。この結果はミトコンドリアrRNAのミトコンドリア外でも機能が普遍的であることを示唆する。 武藤らは、真性細菌に普遍的に存在するmRNAとtRNA機能をあわせもつmtRNAの分子機能を明らかにするために、in vitroのmtRNA系を確率した。 このtrans-translationで解析する系を確立した。さらに、mtRNAを解析し、tRNAと同様に、シュウドウリジンとリボチミジンが存在することを明らかにした。
|