脳筋症(MELAS)患者のミトコンドリア由来ロイシンtRNA(アンチコドンUUR)の構造と活性についての研究を行うにあたり、まず正常なヒトミトコンドリアロイシンtRNAとMELAS由来の変異体の構造遺伝子を含み、その上流にファージT7RNAポリメラーゼのプロモーターを有する遺伝子断片を合成した。各断片をライゲーション後、pUC19プラスミドにクローニングし、得られたクローンをDNAの配列決定により確認した。EcoRI/BamHIサイトを含む両末端に相補的なプライマーを用いて、PCR反応でこれらのプラスミドあるいはプラスミド断片を増幅された。これらのDNAを鋳型として、精製したファージT7RNAプリメラーゼによる試験管内転写反応で、正常および変異したロイシンTrnaを作成することができた。現在、大腸菌からのロイシル-tRNA合成酵素、およびウシ肝からミトコンドリアを単離し、ロイシル-tRNA合成酵素を含むアミノアシル-tRNA合成酵素標品の調製を行っており、近く活性の測定を行える見通しである。
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