研究分担者 |
永津 俊治 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40064802)
小宮 義璋 群馬大学, 医学部, 教授 (50010046)
池田 穣衛 東海大学, 総合医学研究所, 教授 (50266467)
高坂 新一 国立精神・神経センター, 神経研究所, 部長 (50112686)
金澤 一郎 東京大学, 医学部, 教授 (30110498)
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研究概要 |
ハンチントン病遺伝子exon 1のNeuro2A細胞核内凝集体を遠心分画法およびセルソーターを用いて分離することに成功した。ポリグルタミンと物理的に相互作用する蛋白質を精製し,その全長cDNA cloningに成功した。伸長ポリグルタミン鎖と結合する核内タンパクを検索し,TATA-bindingprotein-associated factor(TAF)130と結合して,CREB依存性の転写の活性化を強く抑制し,神経細胞の機能障害を引き起こしている可能性を見いだした. 常染色体性劣性遺伝の家族性パーキンソン病の原因蛋白であるParkinがユビキチンリガーゼの一種であることを明らかにした.またParkinは,Golgi装置を経て軸索輸送小胞に結合し,シナプス小胞に運ばれ,その膜に存在することを明らかにした.Parkin遺伝子の欠失変異の切断点が18タイプに分類されることを明らかにした.更にFISHプローブを調製し複合ヘテロ接合体の欠失変異のDNA診断を可能にした.パーキンソン病の遺伝子治療に関し,ドーパミン合成酵素各遺伝子を全て搭載したアデノ随伴ウイルスベクターをMPTPにより作製したサルパーキンソン病モデルに導入し良好な症状改善効果を確認した. アポトーシス誘発にはミトコンドリアVDACが重要な役割を果たしているという考えを抗VDAC抗体を用いて確かめた。またカテプシン欠損マウスでは、神経性セロイドリポフスチン蓄積症の表現型が認められた。酸化型ガレクチン-1は損傷後軸索やシュワン細胞から分泌され、マクロファージからの神経再生促進因子の分泌を通じて作用する機構を明らかにし、ミクログリア特異的カルシウム結合蛋白であるlba-1がPLCγを介する新しいシグナル伝達経路を作り出すことを発見した.
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