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1997 年度 実績報告書

蛋白質燐酸化反応と障害神経細胞での軸索とシナプス再形成に関する分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09280229
研究機関熊本大学

研究代表者

山本 秀幸  熊本大学, 医学部, 講師 (60191433)

研究分担者 笠原 二郎  熊本大学, 医学部, 助手 (10295131)
福永 浩司  熊本大学, 医学部, 助教授 (90136721)
宮本 英七  熊本大学, 医学部, 教授 (50109659)
キーワードNG108-15細胞 / 核内移行シグナル / 顆粒細胞 / カルシウム / カルモデュリン / CaMキナーゼII / 小脳 / 脳由来神経栄養因子(BDNF)
研究概要

平成8年度にPC12細胞のCaMキナーゼIIについて検討し、デルタサブユニットが主なサブユニットであることを報告した。平成9年度は、デルタサブユニットの脳内での機能を明らかにする目的で本酵素の存在部位を検討した。1)デルタサブユニットのみに認められるアミノ酸配列由来のペプチドを合成し、家兎に免疫して抗体を作製した。また、脳より4種類のサブユニットのcDNAを得た。得られたcDNAを発現ベクターに組み込みNG108-15細胞に導入した。それぞれのサブユニットを発現する細胞を用いて、作製した抗体の特異性を免疫ブロット法と免疫染色法により確認した。2)ラット脳の各部位と細胞分画後の免疫ブロットにより、デルタサブユニットが小脳の核分画に多量に存在することが明らかになった。3)共焦点レーザー顕微鏡と電子顕微鏡を用いた免疫組織学的検討によりデルタサブユニットが小脳の顆粒細胞の核内に存在することが明らかになった。4)さらにRT-PCR法により核移行配列をもつデルタアイソフォームのcDNAを小脳から単離することに成功した。5)得られたアイソフォームをNG108-15細胞で発現させ、核内に移行することを共焦点レーザー顕微鏡により確認した。
脳由来神経栄養因子(BDNF)は障害神経細胞の再生に関与する可能性があり、小脳の顆粒細胞では細胞内のCa^<2+>濃度の上昇により、その発現が増加することが知られている。今回の結果から、小脳の顆粒細胞でのBDNFの発現にCaMキナーゼIIのデルタサブユニットが関与している可能性が考えられ、今後、NG108-15細胞での発現系を用いて詳細に検討していく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 山本秀幸: "脳のSer/Thrホスファターゼの役割" 細胞工学. 16. 210-215 (1997)

  • [文献書誌] 山本秀幸: "カルシニューリンの構造と機能" 実験医学. 15. 592-597 (1997)

  • [文献書誌] Eishichi Miyamoto: "Role of Ca^<2+>/calmodulin-dependent protein kinase II in neuronal regulation, In : Kinases and Phosphatases in Lymphocyte and Neuronal Signaling" Springer-Verlag, Tokyo (Ed. H. Yakura), 10 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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