研究分担者 |
三井 洋司 生命工学工業技術研究所, 主席研究官
西川 伸一 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60127115)
渋谷 正史 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10107427)
藤原 敬己 国立循環器病センター研究所, 循環器形態部長 (10190092)
月田 承一郎 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50155347)
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研究概要 |
(1)転写因子Ets-1は血管新生を促進するが、今回このEts-1が血管内皮細胞のアポトーシスを促進すること、さらにその機序としてBid,cytochrome p450,caspase-4,p27,p21などpro-apoptoticな遺伝子の発現を2倍以上に増強し、DAD-1,AXL,Cox-2,IAP-2,MDM-2などanti-apoptoticな遺伝子の発現を1/2以下に減弱する。(2)VEGF-Aによる細胞内シグナル伝達に関して、ERKとp38の活性化の経路が大血管の内皮細胞と細小血管の内皮細胞では異なっており血管新生に関与する細小血管内皮細胞ではRasを介したシグナル伝達が主体である。(3)トランスジェニックマウスの解析からVEGF-EはVEGF-Aと同様に血管新生を誘導するが、血管透過性促進作用は認められない。(4)VEGF 2型受容体(KDR)の自己リン酸化部位の同定は1175Yと1214Yであり、特にPLCgのC末側のSH2ドメインがリン酸化1175Yと結合し、MAPKの活性化とDNA合成の誘導に必須である。(5)MadCAM-1が発生初期の静脈に特異的に発現し、MadCAM-1陽性静脈内皮の誘導にBMP-4が促進的効果を有する。(6)GFPキメラ分子をES細胞へ導入し、その細胞を内皮へ分化させて各分化段階の細胞の挙動を様々な条件でモニターすることを可能にした。(7)血管内皮細胞に特異的に発現しているclaudin-5のノックアウトマウスの作製を進め、ES細胞において破壊することに成功し、また、germlineにも通すことができた。(8)ヒト臍帯静脈内皮細胞にhTERTまたはSV40 T抗原遺伝子を導入することによって、細胞の分裂寿命が延長し、無限分裂寿命の細胞株を樹立できた。この細胞株は、内皮細胞に作用する新規の増殖因子を産生することが示唆された。
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