研究課題/領域番号 |
09301008
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
庄司 興吉 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (30061203)
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研究分担者 |
田中 宏 東京国際大学, 人間社会学部, 助教授 (80275809)
犬塚 協太 静岡県立大学, 国際関係学部, 助教授 (00232520)
武川 正吾 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (40197281)
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キーワード | 国際化 / 地域社会形成 / 地球社会 / 沖縄 / 世界秩序 / 市民意識 / 地球・地域主義(グローカリズム) / 主要国首脳会議(サミット) |
研究概要 |
昨年度の中間総括『世界社会と社会運動:現代社会と社会理論-総体性と個体性との媒介』および『共生社会の文化戦略:現代社会と社会理論-支柱としての家族・教育・意識・地域』(いずれも梓出版社、1999年)をふまえて、国際化時代の地域形成・社会形成と生活様式見直しとの相互作用を把握するため、沖縄地域の調査を持続するとともに、市民意識調査のデータ解析と内容分析とを行った。沖縄地域では、2000年7月の主要国首脳会議(サミット)開催が決定されたことを受けて、県が普天間基地の移転先を名護市に決め、名護市も15年期限などの条件を前提にこれを受け入れる方向に動いたため、これを従前よりの県の基地縮小・平和発展という方針からの転換とみる人びとの批判が強まる一方、サミット開催を契機に沖縄から世界に向けての情報発信を積極的に行うべきだとする人びとの活動も強まってきている。情報発信の内容をめぐっても、この機会に沖縄独自の伝統文化や自然の美しさを世界に知らせるべきだという意見の人びとから、アメリカの世界戦略を象徴する圧倒的な基地の存在とその地域生活への影響とをまず発信するべきだとする人びとにいたるまで、論争が強まっている。いずれにしても沖縄サミットは、日本のなかの地域問題が今日の世界の秩序維持の焦点の1つとして絡むことを、国際メディアをつうじて世界に発信する出来事となるので、そのことの歴史的な意義を社会学的に明らかにするような方向にこれまでの調査研究をまとめることが課題である。市民意識調査の分析からも、冷戦終結後の世界のなかで日本および日本人の生き方を模索する人びとの像が浮かび上がってきているので、それとも結びつけながら日本人にとっての地球・地域主義(グローカリズム)のあり方を明らかにする方向に研究成果をまとめることになろう。
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