研究課題/領域番号 |
09301024
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
水之江 有一 千葉大学, 文学部, 教授 (90009598)
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研究分担者 |
秋山 和夫 千葉大学, 文学部, 教授 (20002298)
三井 吉俊 千葉大学, 文学部, 教授 (00157546)
前田 彰一 千葉大学, 文学部, 教授 (70023596)
手塚 和彰 千葉大学, 経済学部, 教授 (90013010)
バトラー ジョン 千葉大学, 文学部, 外国人教師
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キーワード | ユーゴスラヴィア / アイルランド / 多元性 / 脱植民地主義 / ムンタリィ、フェリックス / シャノン、ユージン / アフリカ・ルネサンス / モト、フランシス |
研究概要 |
本研究は、はヨーロッパに中心をおいて研究を進めてきたが、その帰結として思わぬ方向に展開することとなった。それはユーゴスラヴィアやアイルランドなどのヨーロッパ内の問題から、ヨーロッパ対アフリカの問題に視点を移すようになったことである。契機は19世紀の植民地主義であり、今世紀における脱植民地主義と新たな経済的植民地主義の危険である。この問題をここでは主として文化的側面で追求する。同時に「多元性のパラダイムを求めて-民衆文化と芸術創造のテクストとコンテクストの検証」の課題のもとで進められている研究とも緊密な連携をとることにした。討議を重ねる過程で、21世紀を迎えて、民族問題、国家と国境線の制定、国家間連合、凡アフリカ運動、経済的には大国や先進国による融資、新たな植民地化、アメリカ主導によるグローバライゼイション、環境破壊問題と自然開発、文化的にはアフリカ・ルネッサンスと民衆民族主義、現代化と伝統主義、など様々な面で激動の著しいアフリカに焦点を当てる必要性を痛感した。そこで専門の研究者を国外から招聘し、さらに国内の研究者も広く呼びかけて研究会および国際会講を開催した。(1)フェリックス・ムンタリィ教授-「文学とアフリカ・ルネサンス」(2)デービッド・アンサー教授-「民主主義と経済発展に向かう21世紀のアフリカ」(3)アイヴィ・ゴドカ教授-「アフリカ民衆の教育-精神性中心の知恵の正当化」(4)ユージン・シャノン部長-「鉱業開発、環境問題、多国籍企業」(5)ダジュディーン・アブヅル・ラヒーム局長-「グローバリゼイションとアフリカの再植民地化」ほかにフランシス・モト教授(マラウイ大学)は「21世紀アフリカのための経済的、社会文化的、政治的な論題」と題する論考を寄せている。わが国で始めての本格的なアフリカ会議であった。なかでもフェリックス・ムンタリィ教授の詩作と文学観は民族の状況を如実に語っており、今後の研究に弾みをつける原動力となった。
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