研究概要 |
1.日本について,大気汚染物質収支を考慮した拡大産業連関物質=価値双対モデルを構築し,1985年および1990年データを用いて,CO2,SOX,NOX排出削減プログラムのフィージビィリィティをシミュレーションし,評価モデルの挙動を解析した。2.閉鎖水系における窒素,燐酸等の物質収支を考慮したエコシステムモデルを構築し,霞ヶ浦および韓国八堂湖についてモデルのパラメータの特定化およびパイロットモデルを用いて政策シミュレーションを行っている。3.地域間のバランスある成長と汚染物質の産業間,地域間の負担のあり方,および最も大気汚染物質排出係数の大きい交通部門及びそのネットワークのあり方を総合的に評価するプログラミングモデルを構築した。韓国経済についてのパイロットモデルを用いてその挙動を解析中。4.上記3タイプのモデルの解析データを効率的,効果的に分析するためのグラフィックツールを備えた政策シミュレーション汎用ソフトを開発中。5.大気汚染物質削減評価モデルについては,Free University,AmsterdamでのP.Nijkamp教授とのワークショップで発表した。また,パイロットモデルについての中間成果をWellingtonの第15回PRSCOで発表した。6.閉鎖水系モデルについての研究成果を,Illinoi大学G.J.D.Hewings等の研究グループとの合同ワークショップで発表した。7.地域間交通ネットワーク総合環境評価システムモデルについての中間成果を第34回日本地域学会年次大会で発表した。8.最適大気汚染物質排出税の動学経路をその負担原則の違いに応じて内生的に導出し,評価することのできるシステムモデルを構築した。これについては,Free Universityでのワークショップでそのworkabilityについて高い評価を得ている。しかし,動学分析では資本ストックばかりでなく労働の産業間移動のinertiaを考慮すべきというコメントを受けた。また,同時に,所得分配を内生化するシステムモデルを構築すべきというコメントを受けた。9.中央政府,地方政府及び地域住民の間の汚染負荷コストの最適的配分プログラムの導出及びその総合評価を行うシステムモデルを開発した。集計的環境質評価関数の効率的推定方法を新たに開発する必要がある。10.政策シミュレーション支援汎用システムを高性能ワークステーションにインストール中である。
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