研究課題/領域番号 |
09303002
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研究機関 | 東京経済大学 |
研究代表者 |
石井 寛治 東京経済大学, 経営学部, 教授 (20012122)
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研究分担者 |
斉藤 寿彦 千葉商科大学, 商経学部, 教授 (80049957)
伊藤 正直 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (70107499)
杉山 和雄 東洋英和女学院大学, 社会科学部, 教授 (70054301)
佐藤 政則 麗沢大学, 国際経済学部, 教授 (10192600)
西村 はつ 湘南工科大学, 教授 (10298250)
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キーワード | 金融危機 / 地方銀行 / 地域開発 / 銀行合同 / 銀行救済 / 不良債権 / 経営破綻 / 貸出審査 |
研究概要 |
今年度は3年間の計画の最終年度に当たるため、それぞれの担当する課題別ないし地域別の課題についての研究を深めつつ、研究の総括に向けて地方金融史研究会の月例研究会と8月および1月の合宿研究会において報告と討論を重ねた。 月例研究会での当プロジェクト関連の報告としては、加藤隆〈4月)、黒羽雅子(5月)、斎藤壽彦(6月〉、西村はつ(9月〉、粕谷誠(10月)、植田欣次(11月)によるものがあり、夏季合宿研究会では、石井寛治、東憲弘、神山恒雄、迎由理男による諸報告が行われた。冬季合宿研究会では、参加者全員による15本の報告をもとに研究の総括方向と成果刊行案について議論した。 従来は破綻銀行についての史料が乏しいことが研究の深化を阻んできたが、1999年9月に日本銀行がアーカイブを開設して歴史文書の公開に踏み切ったため、破綻銀行の経営状態と日本銀行による救済融資の実情が、かなり詳しく判明するようになった。そうした新史料を含めた分析の結果、1927年の金融恐慌ないし1929年の昭和恐慌において露呈した銀行経営の間題点の多くは、1910年代の第一次大戦とその直後のバブル的側面をもつ好況にさいしての安易な信用膨張に起因していたこと、および、1920年恐慌以降の政府・日銀の度重なる救済策が矛盾を先送りしてかえって悪い結果を招いたことが判明した。こうして1920年代の金融危機の実情を調べれば調べるほど、1990年代の金融危機との類似性の強さが判明して来ている。われわれとしては、出来るだけ早い機会に、共同研究の成果を論文集の形でまとめて刊行する予定である。
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