研究分担者 |
上野 健爾 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40011655)
向井 茂 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (80115641)
桂 利行 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40108444)
森田 康夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20011653)
小田 忠雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60022555)
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研究概要 |
森重文は商空間の構成問題を研究し,Algebraic Spaceとしての幾何学的商空間の構成を非常に弱い条件の下で行った.これはJ.Kollarによる結果を含み、商空間が分離的でない場合も扱える結果である. 板東重稔はアインシュタイン・ケーラー計量の存在問題を考察し,安定性との関わりを調べ,安定性に関わる汎関数の有用な表示を得た.それとは独立に,調和な幾何学的対象の存在をグリーン関数を用いて研究する論文をまとめた. 中村郁はアーベル多様体のコンパクト化を研究し,レベルが3以上の場合,射影的に安定なアーベルスキームがケンプ安定でありことを示し,また逆に退化アーベルスキームがケンプ安定であれば射影的に安定であることも得た. 藤田隆夫は小平エネルギーが-1/2未満の非特異偏極多様体を分類し,そのadjoint fibrationの構造を記述した. 日比孝之は凸多面体に付随するbinomial idealsのグレブナ-基底について可換代数と計算幾何の両側面から研究した. 隅広秀康は4次元以上の射影空間上の階数2のベクトル束の分解問題をベクトル束に附随して定義される行列式多様体の代数・位相・微分幾何学的諸性質の解析によって研究した.この成果を現在,論文に取りまとめている. その他の分担者も各役割分担に沿って研究を進めそれぞれ大きな研究成果を得ている. また,石田正典,佐藤栄一,斎藤政彦やその他の協力者によって代数学シンポジウム,代数幾何学シンポジウム,可換環シンポジウムなどの研究集会が行われ,それらの集会を通して得られた研究成果が報告集としてまとめられつつあり,そのいくつかは完成している.
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