研究分担者 |
藤原 一宏 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 講師 (00229064)
斎藤 政彦 神戸大学, 理学部, 教授 (80183044)
前野 俊昭 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60291423)
清水 勇二 京都大学, 大学院・理学研究科, 講師 (80187468)
丸山 正樹 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50025459)
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研究概要 |
無限自由度の可積分系の理論を今年度は主として代数幾何学的、数論幾何学的観点から研究した。上野・清水のグループは共形場理論に現れるKZB方程式の具体形を求めた.この方程式の解の持つ数論幾何学的性質の研究は次年度の研究課題として残されている.また位相的場の理論に密接に関係するモジュラー函手を共形場理論から具体的に構成する問題を考察し,非アーベル的共形場理論とアーベル的共形場理論の分数ベキとのテンソル積を使ってモジュラー函手を具体的に構成することに成功した.このモジュラー函手を使って3次元多様体の不変量を構成できるが,この不変量を具体的に求め既存の不変量との関係を明確にすることは次年度の研究課題として残された. 斎藤政彦のグループはミラー対称性と関係してある種の楕円曲面に含まれる高い種数の代数曲線の個数からできる母函数を具体的に求めることに成功した.高い種数の曲線の数え上げに関しては物理的な考察はあるが,数学的に厳密に函数を見いだした例として貴重である.中村郁のグループはアーベル多様体とその退化に関する新しい視点からの研究を行い,新しい知見を得た.桂のグループは正標数の多様体を新しい観点から研究史が.また江口のグループは弦双体性についての研究を行い,E6型特異点との関連で興味深い結果を得た.
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