研究課題/領域番号 |
09304005
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
河野 俊丈 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (80144111)
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研究分担者 |
清水 勇二 京都大学, 大学院・理学研究科, 講師 (80187468)
村上 順 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90157751)
斎藤 恭司 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (20012445)
森田 茂之 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70011674)
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キーワード | チャーン・サイモンズ理論 / 共形場理論 / 組みひも群 / モジュライ空間 / 写像類群 / ウィッテン不変量 / モノドロミー表現 / バシリエフ不変量 |
研究概要 |
本研究は、位相的場の理論を軸として、その成果を幾何学の広範な分野に応用することをめざしている。微分幾何学、位相幾何学、代数幾何学、表現論、数理物理などの分野の枠をこえた幅広い研究者の間の議論、情報交換を行った。とくに、本年度は、これらの研究者の研究成果の発表と共同研究を促進するためのワークショップを積極的に企画した。 チャーン-サイモンズ摂動理論から得られる位相不変量の研究にあたっては、関西の結び目理論および3次元多様体の研究グループと連携して、研究を進め、大槻による有限型不変量との関連、さらには、曲面のモジュライ空間のコホモロジーとの関連を明らかにする研究を行った。また、村上順によって、有限型不変量に対応した位相的場の理論が構成され、写像類群の表現が具体的に計算された。現在、森田茂之による、曲面バンドルの特性類の理論との関連についての研究が進行中である。本年度に得られた新しい成果として、組みひものバシリエフ不変量と点の配置の空間のループ空間のドラムコホモロジーとの関連を明らかにしたことがあげられる。また、対数微分形式の反復積分が組みひもの位相不変量を具体的に記述することができた。最近、吉田朋好によって、共形場理論のアーベル化を用いることにより、共形場理論のモノドロミー表現をテータ関数の言葉で表すことが可能になった。この手法を用いて、ウイッテン不変量の摂動展開にあらわれる位相不変量の幾何学的意味に関する研究を進めた。
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