研究分担者 |
村上 順 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90157751)
斎藤 恭司 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (20012445)
森田 茂之 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70011674)
清水 勇二 京都大学, 大学院・理学研究科, 講師 (80187468)
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研究概要 |
本研究は、位相的場の理論を軸として、その結果を幾何学の広範な分野に応用することをめざしている。微分幾何学、位相幾何学、代数幾何学、表現論、数理物理などの分野の枠をこえた幅広い研究者の間の議論、情報交換を行った。とくに、本年度は、研究代表者が渡仏して,量子群と位相不変量についての国際研究集会でこれまでの成果を発表し,また,清水が京都大学において,弦理論と幾何学に関する国際ワークショップを企画するなど,国際的な研究交流を行った.本年度の成果として,点の配置空間のループ空間の幾何と有限型不変量との関連を明らかにしたことがあげられる.これにより,チャーン-サイモンズ摂動理論から得られるファインマングラフの空間に値をもつ位相不変量を,ある種の点の配置空間のループ空間のホモロジー類としてとらえることが可能になった.バシリエフ不変量の理論におけるウエイト系は,点の配置空間のループ空間のコホモロジー類としてとらえることができる.また,村上は,結び目の補集合の単体的体積と,ジョーンズ多項式の特殊値の漸近挙動についてのカシャエフ予想に関して重要な結果を得た.これは,位相的場の理論の枠組みの研究と,双曲幾何学との間に新たな関係を与えるものとして,今後の発展が期待されている.
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